三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

今月22日の裁判(口頭弁論)を前にして 1

2014年05月09日 | 紀州鉱山
 今月22日午前11時30分から、三重県津地方裁判所302号法廷で、熊野市を被告とする対熊野市第2訴訟(「2012年度固定資産税賦課処分及び減免不承認処分取消請求事件」)の3回目の裁判(口頭弁論)が開かれます。
 みなさんの傍聴(裁判監視)をお願いします。 

 きょう(5月9日)、紀州鉱山の真実を明らかにする会は、この訴訟にかかわる「原告準備書面(2)」を津地方裁判所民事部合議1係に出しました。
 紀州鉱山の真実を明らかにする会は、ことし2月20日午前10時に、被告熊野市が2013年6月3日付けて津地方裁判所民事部合議1係に提出した「答弁書」にたいする抗議・批判・質問を、「準備書面」という形式で、津地方裁判所民事部合議1係に提出しました(このブログの2014年2月20日の「被告熊野市の「答弁書」弾劾」をみてください)。
 この抗議・批判・質問にたいして同日津地裁で午前11時から開かれた裁判(口頭弁論)で、被告はなにひとつ答えようとしませんでした。
 紀州鉱山の真実を明らかにする会は、今月22日に開かれる裁判(口頭弁論)を前にして、2月20日の「原告準備書面(1)」につづいて「原告準備書面(2)」を裁判所に提出し、訴訟の根本問題に「答弁」しない被告を糾弾するとともに、裁判官にあらためて公正な裁判をおこなうことを要請し、事実を明らかにするための証人調べを再度もとめました。
 紀州鉱山の真実を明らかにする会は、昨年6月20日に、大韓民国慶尚北道議会議員の金昌淑さんと日本近現代史研究者の竹内康人さんを証人証人とすることを申し入れる「証拠申出書」を津地方裁判所にだし、ことし2月18日に、紀州鉱山で亡くなった李白洛さんの遺児李炳植さんと千炳台さんの遺児千鳳基さんを証人とすることを申し入れる「証拠申立書」を津地裁民事部にだしました(このブログの2013年6月20日の「きょう証人申請しました」およびことし2月18日の「紀州鉱山で亡くなった李白洛さんと千炳台さんの遺児を証人に」をみてください)。

 原告準備書面(2)の本文(全文)を、きょうから7回に分けて連載します。
 その構成は、つぎのとおりです。
   (一)「蒸し返し」という空言
   (二)「紀州鉱山への朝鮮人強制連行」にかかわる非科学的虚言      
   (三)「以上に反する原告らの主張に対しては争う」について
   (四)「「石原産業はなにをしたのか(強制連行、強制労働の証言)」は知らない」について
   (五)「「紀州鉱山での朝鮮人強制労働と朝鮮人死者」は知らない」について
   (六)「熊野市紀和鉱山資料館」問題・「英国人墓地」問題
   (七)「「親書」を手渡したことは認め、その余は知らない」と主張する無恥
   (八)租税法律主義・租税公平主義について
   (九)歴史・社会・法


■原告準備書面(2)
                    記

 被告熊野市が訴訟代理人倉田厳圓弁護士と5人の被告指定代理人の名で、2013年6月3日付けで、津地方裁判所民事部合議1係に提出した「答弁書」にたいし、原告は、2014年2月20日付で準備書面(1)を提出した。
 準備書面(1)において原告は、被告の「答弁書」が本訴訟の根本問題になんら「答弁」していないことを簡潔に明示し、被告に誠意をもって答弁することを求めた。
 しかし、2014年2月20日に開かれた「2012年度固定資産税賦課処分及び減免不承認処分取消請求事件」の口頭弁論において、被告熊野市の訴訟代理人倉田厳圓弁護人は「回答しない」と述べた。
 このような被告訴訟代理人倉田厳圓弁護人の姿勢は、「当事者は、信義に従い誠実に民事訴訟を追行しなければならない」という民事訴訟法第2条に反するものであり、社会的歴史的に重大な意味をもつ本訴訟の意味を理解しておらず、真摯に理解しようとしていないことを示すものである。これは、このような弁護人を被告訴訟代理人としている熊野市の本訴訟にたいする信義が問われる問題である。熊野市は、本質的に当事者主義を侵犯している。
 原告は、簡潔な批判では被告熊野市が問題の本質を理解できないことを勘案しつつ、以下で、被告が2013年6月3日付けで提出した「答弁書」にたいし、詳細に、委細を尽くして、全面的に反論・批判をおこなう。
 被告が、すみやかに誠実に回答することを求める。

(一)「蒸し返し」という空言
 「答弁書」の「第1 本案前の答弁」末部に、被告熊野市は、
    「本訴は、実質的には、前訴と同一訴訟の「蒸し返し」にすぎないものであって、信義則に反するものとして許
    されないものである」
と書いている。
 被告熊野市は「「蒸し返し」にすぎないもの」と言って、本訴に争点効があると暗に主張しようとしつつ、「信義則に反するものとして許されないものである」と述べているようであるが、それこそが、信義則に反する空言である。
 本訴において争点効がないことは、以下の4点の理由により明らかである。
   1、前訴において、基本的な最重要争点が審理されなかったこと。
   2、前訴において、裁判官が、基本的な最重要争点について、原告に主張・立証させなかったこと。
   3、前訴において、基本的な最重要争点について被告が陳述しなかったこと。
   4、前訴において、裁判所が、基本的な最重要争点についてまったく実質的な判断を示さなかったこと。
 詳述するなら、前訴の訴訟指揮をした津地裁の戸田彰子裁判長は、以下の基本的な最重要争点を実質審理せず、「固定資産税の課税算定額」に論点をすりかえ、真実を追究しようとせず、原告らの公正な裁判を受ける権利を侵害した。
   1、紀州鉱山への朝鮮人強制連行、紀州鉱山での朝鮮人強制労働には日本政府、石原産業、三重県ととも
    に熊野市に歴史的・社会的責任がある。
   2、「特別の事情がある者」である原告にたいし、熊野市長は固定資産税を免除しなければならない。
   3、紀州鉱山で亡くなった朝鮮人を追悼する場(土地)には公共性・公益性がある。
   4、朝鮮人を追悼する碑の敷地への課税は、社会正義に反し、憲法に違反している。
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