ゲンダイネット 2011年3月24日 掲載の、米「タイム」が指摘 日本の支援は途上国以下 という記事がネットで話題になっていました。
ゲンダイネットの記事は小沢一郎さん関係でかなり読んでいますから、このサイトの記事については信用しています。しかし海外誌の記事をかい摘まんで紹介された時には、やはりソースを確認しておきたい。
Is Japan's Bureaucracy Strangling Humanitarian Aid? By Hannah Beech / Tokyo Tuesday, Mar. 22, 2011 が見つかりました。
以下、ゲンダイネットの記事と原文の該当部分を引用しておきます。
「日本よりはるかにインフラ整備が遅れている開発途上国でさえ、災害発生から4日もたてば援助物資が被災民の手に届く。だが東北では10万人の自衛隊が救援活動を行っているにもかかわらず、援助物資が届くのに恐ろしいほど時間がかかっている」と指摘した。
In other natural disasters that I've covered, steady streams of local and international aid have usually converged upon the stricken area within four days of the event. This has happened even in developing-world countries with far less infrastructure than Japan has. But in Tohoku, as Japan's northeast is called, aid has trickled in agonizingly slowly, despite the mobilization of 100,000 Japanese soldiers for the relief effort. It took more than a week after the earthquake, for example, for the region's highways, which are reserved for emergency vehicles, to be filled with the kind of aid convoys that typically race to disaster scenes.
同誌は日本の入り組んだ官僚機構に問題があり、規制好きな国民性が“合法的な壁”として立ちふさがっているとして、以下の実話を挙げている。
日本の船会社が湾岸地域に救援に向かうコンテナ船をヘリの着陸用に提供すると申し出たが、政府は船会社に正式な資格がないことからこの提案を断った。
【編注・原文のNYKを私はわかりませんが、NYK Line Japan株式会社が「NYK Container Line株式会社」に社名を変更 2010年9月6日 が検索でヒットします】
"But in Japan, there is a legal wall that stops everything." Japanese shipping company NYK offered to provide a container ship for helicopters to land on when ferrying in relief supplies to coastal areas. But the government rejected the offer because the NYK shipmates lacked the proper licenses to help with such work.
来日した外国人医師団が患者の診察を申し出ても、日本の医師免許がないという理由で門前払い。医師らは医療行為ともいえない最小限の援助活動をするしかなかった。
After some wrangling, volunteer foreign doctors were told that because they didn't have Japanese medical licenses, they could conduct only the "minimum necessary medical procedures" in the disaster zone.
また、海外から高齢の被災者のために薬品が寄付されたが、日本の行政当局が承認していないという理由で現地に届けることができなかった。
Some medicine donations from overseas haven't reached the many elderly suffering in the earthquake's aftermath because Japanese regulatory agencies have not yet given the drugs approval.
非常時に、「責任は俺がとる、それをやれ!」 という武士が公務員にはいないのでしょう。そして、前任者から引き継いだ10年も前の計画をとにかく押し進めれば退職後の生活も安定するという足軽ばかりの組織かも知れません。
しかし・・・
Indeed, one of the first organizations to start relief convoys in the northeast was none other than the yakuza, Japan's famous gangsters. Unconstrained by reams of regulations, the underworld representatives, whose business tentacles extend to the trucking business, simply started delivering aid on their own, without government approval.
「ヤクザ」は世界的に通用するニホンゴになっているようですが、「任侠 ninkyo」 はどうでしょうか。私は暴力団は嫌いですが、この意味でのヤクザは否定しません。「吉良の仁吉は男じゃないか♪」 体育会系コンパの愛唱歌でした。
TIME の記事に書かれてますし、宮城県の知人からの情報でも、「車の燃料が無い、半日待って上限の3,000円分を入れることができた」 と。
(財)日本エネルギー経済研究所は、「特別緊急アピール」を掲載しています。しかし、この記事に具体的な数値がどこにも書かれていません。『処理能力の復帰、石油備蓄義務日数の緩和による追加供給、製品輸入拡大の可能性、流通問題改善に向けた取り組み強化等・・・』 その具体的な数字をちょっとでも書いてあれば、そして、今後の経緯は常時更新する***のページをご覧ください、とでも書かれていれば、まずは安心します。「冷静で落ち着いた行動を」するためのより所は、すぐ読める迅速、明確なデータです。
一事が万事といいますがTIMEが記事にしたことは現実だとわかります。
石油情報センター 掲載のPDFファイルから下記に引用しておきます・・・
東日本大震災による石油需給への影響と国、石油業界の対応 平成23年3月24日 財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センター
今般の震災の影響で、直後には一時国内原油処理能力(約450万B/D)の約3割(約140万B/Dが稼働停止しましたが、今日までにそのうち約80万B/Dが再稼働、引き続き復旧中~稼働停止中の能力約62万B/D(15%弱)という水準まで回復しました。今週以降も逐次製油所の復旧が進むこと、他地域製油所の稼働率引上げ、石油会社への備蓄義務日数の大幅引下げによる製品の追加供給、製品の緊急輸入、輸出計画分の国内優先化などにより、計画停電や道路、港湾事情などによる局地的な支障は残るとしても、全体的な製品供給能力には余裕が生まれてくると考えられます。(以下略)
不要だと言われる意見に耳をかさず道路を作りたくて、手続き通りにまず説明会を開催しておく、やりましたと次に進む、そんな足軽のような事を止めて任侠の道を学びなさい。説明会に動員される人々のガソリンを被災地に廻しなさい。黒駒の勝蔵は次郎長伝では悪役ですが、この土地では尊敬される人物でしょう。