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2009年01月22日の朝日新聞山梨版『路線バス利用者★激減』という記事がありました。NHK山梨のニュースには『公共交通機関のあり方を協議』とタイトルで『この会議は利用者が低迷する公共交通機関のあり方を考えようと、国土交通省山梨運輸支局が県内各地で開いています。』と書かれていましたが、県内各地区の回り持ちで毎年度開催されていて今回は韮崎市で開催されたものでしょう。
国土交通省関東運輸局には交通アドバイザー会議のホームページが見つかりました。今回は平成20年度、峡北地区を対象とする会議として後日会議概要が掲載(PDFファイル)されるものと思えます。平成19年度は平成20年1月16日に山梨県郡内地区を対象として富士吉田市ハイランドリゾートホテルで開催されています。

【朝日新聞の記事】
県内の昨年度の路線バス利用者数は、ピーク時の1969(昭和44)年度に比べて86%減少――。21日に韮崎市内のホテルで開かれた山梨運輸支局交通アドバイザー会議で現状が報告された。タクシー業界からも低賃金などの厳しい状況が説明され、出席者からは、地域の公共交通活性化に向けて、「観光との結びつきを強めるべきだ」などの意見が出された。
 会議には、商工会や観光協会、老人クラブなどの代表と、交通、行政関係者の計28人が出席した。
 県バス協会によると、マイカーの普及や少子高齢化を背景に、路線バスの利用者は激減。ピークだった1969(昭和44)年度の輸送人員が6277万人だったのに対し、昨年度は898万人にまで落ち込んだ。
 一方、県タクシー協会によると、協会に加盟する県内タクシーの営業収入は、バブル期の1991(平成3)年に112億円だったが、昨年は77億円。約1700人いる運転手の平均年齢は59・9歳、平均年収は235万円で、全国平均の56・1歳、328万円に比べて、高齢化と賃金の低さが目立つ。
 バス業界は、経費節減に加えて、小型バスや低床バスを導入し、タクシー業界は乗り合いタクシーや福祉タクシーの充実を進めるなど、それぞれの取り組みを説明した。出席者からは、バスとタクシーの均一料金化などの提案があった。

【NHKの記事】
高齢化が進む峡北地域の公共交通機関のあり方を話し合う会議が韮崎市で開かれ、地域住民から▼電車の時間と連動したバスのダイヤを設定することや▼ワゴン車やスクールバスを活用するといった要望が出されました。
この会議は利用者が低迷する公共交通機関のあり方を考えようと、国土交通省山梨運輸支局が県内各地で開いています。
21日は峡北地域の交通のあり方を話し合う会議が韮崎市で開かれ、住民や地元の交通機関の代表などが出席しました。
会議では地元のバス会社の代表などが「峡北地域のバス路線はほとんどが赤字で、行政の補助がなければ運行できない状態になっている」と公共交通機関を取り巻く現状を説明しました。
これに対し、住民からは、▼路線の縮小にともなって、バスのダイヤが利用しににくなっているので、電車の時間と連動したダイヤを設定してほしいという要望が出されました。
また、▼ワゴン車などを使い、行き先が指定できる交通機関を整備することや、▼昼間は使われていないスクールバスを活用するなど、新しい形の公共交通機関を考えてほしいという意見も出されました。県内では高齢者の増加に伴って、公共交通機関の需要がますます高まっているということで、山梨運輸支局はこうした意見を参考に今後の施策を検討することにしています。

バス需要の激減という事実は凄いものだと思います。平成19年度会議では、「大型バスより小型バスで頻繁に運行出来ないか。」、「何処でも乗車、下車が出来るようにして欲しい。」、「鉄道との接続が不便」などユーザーからの要望があり回答があったことが記録されていますが、今回も同様な内容があったと思えるニュース記事でした。

市町村などの自治体が運行する街バスが県内にあることは知っていますが、私は未だ利用したことはありません。身延町のデマンド交通事業は記事を読んでいます。甲府シティーシャトル、買い物バス-レトボンは利用しています。相変わらずの状況ですが、中心市街地活性化事業の実施に伴い平日運行や運行ルートの変更も行われるようになるものと期待しています。
バス会社のバスでも路線維持の為に自治体から補助金を出しているということは何かの記事で読みましたが、ソースは後日確認します。
朝の時間帯に通勤バスが甲府駅前に停まっているのを見たことがありますので、これも各社が用意されているのではないかと思います。通勤通学時間帯だけにバス需要が集中するなら、スクールバス、通勤バスとして行政からの支援もそちらに振り向けるという方法で個別に対処することも可能なのではないかとも感じます。

日中のバスはマイクロバスでも間に合いそうだと感じるのが私が利用する甲府の路線バスです。1時間に1本のダイヤとか、甲府駅に終電で到着したらバスは無い・・・そういう問題をトータルに解決する方法は高速バス以外のバス交通のあり方について、現状と全く異なるシステムを考えることで可能ではないかと思っています、デマンド交通、乗り合いタクシー、環境政策の一環としての県営交通、NPO交通・・・。新山梨環状道路若彦トンネル雁坂トンネルの利活用、そして来るべきリニア県内駅にリンクした公共交通計画として考察を開始すべき時期が来ていると思えます。
指定ごみ袋問題でも述べたのですが、30万世帯、90万人の山梨県で市町村ごとにそれぞれ独自にバス交通を確保するという形態に無駄はありませんか。そこに運輸行政の関与があるなら、それこそが規制改革でチェンジするべき事だったと思います。 昇仙峡の循環バス実現のバリアーはやっぱり何か規制の関係でしょうかね。

公共交通システムを変更することは、これまで営々と私企業を築き上げて来た企業家や監督範囲が薄く広くなる運輸行政としてはつらいかも知れません。でも高齢者社会で道路というハードを本当に活かすにはバス(あるいはそれに代替する交通手段)というソフトが必要です。ソフト・ファーストでハードを造れれば理想的なのですが・・・パソコンのシステム構築ではいつも苦労している私です(^_^;)




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