樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

チョウゲンボウは都市鳥?

2024年08月08日 | 野鳥
先日、野鳥の会の過去の資料を読んでいて面白い事実を発見しました。京都支部では40年以上にわたって会員が目撃した鳥の種類を記録していますが、1983~2002年の19年間と2003~2016年の13年間のベスト3が大きく入れ替わっているのです。
以前は1位カワセミ、2位ジョウビタキ、3位ノビタキでしたが、その後は1位イソヒヨドリ、2位チョウゲンボウ、3位ハヤブサと変わっているのです。そして、新ベスト3の前回の順位はイソヒヨドリ33位、チョウゲンボウ69位、ハヤブサ45位。京都市内在住の会員が多いので、市内で目撃する機会が多く、特にチョウゲンボウは大きくジャンプアップしています。
イソヒヨドリについては7月11日の記事「イソヒヨドリ騒動」で、もともと海岸に生息していた鳥が市街地に順応したことをお伝えましたが、チョウゲンボウやハヤブサも同様のようです。チョウゲンボウは以前は冬鳥でしたが、現在は1年中見られますし、京都市内のJR二条駅や中京区のビルで繁殖したこともあります。以下は、12年前に近くで撮影したチョウゲンボウ。



ハヤブサも、近くの公団住宅の空き部屋のベランダで繁殖したようですし、ニューヨークには25つがいが生息していて「世界で最もハヤブサの密度が高い場所」と言われています。本来は海岸や山中の断崖絶壁で繁殖しますが、摩天楼がそれに似ていること、餌となるドバトが多いこと、高層ビル群に発生する上昇気流を利用できることなどから、ハヤブサには良好な環境のようです。チョウゲンボウもハヤブサの仲間なので、都市環境が本来の生息場所に似ているのでしょう。
スズメやツバメ、カラス、ヒヨドリなどを「都市鳥」と呼んでいます。ハシブトガラスやヒヨドリはもともと山の鳥でしたが、市街地に順応して都市鳥になったわけですから、イソヒヨドリやハヤブサ、チョウゲンボウもその仲間入りをしたと考えていいと思います。
コメント (2)
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