樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

萌木色の森

2019年05月09日 | 樹木
前回のご報告どおり、栃の森では花もいろいろ咲いていましたが、若葉も開き始めていて、森の中は萌木色に染まっていました。「萌黄色」とも書くようですが「萌木色」のほうが近い感じです。



春先の樹木が描き出すこの色と風景を見ると、毎年のことながら、気持ちが和らぎます。フーッと息が抜けていくような、安らかな気分になります。
こういう中に足を踏み入れて、その空気を呼吸し、音を聞き、匂いを嗅いでいると、樹や森を好きにならざるを得ないですね。



林道では、生まれたばかりのアカシデの葉が鮮やかな緑で、赤い枝とのコントラストを強調していました。



谷側に生えているイヌシデは、葉も花も展開しています。上のアカシデと下のイヌシデは葉も樹皮もよく似ていて識別が難しいですが、今の時期は分かりやすいです。



下は、一見するとシデ類に見えますが、ミズメ。関西で見られる唯一のカバノキ属です。枝の皮を爪で削って匂うとサロンパスの匂いがします。別名、アズサ(梓)。



この森はトチノキが多いので、私は勝手に「栃の森」と名付けました。その主も展葉し始めました。葉を包んでいる芽鱗は、なぜかネバネバしています。



これから、樹々の葉は大きく広がって、数もどんどん増えて、次に訪れる頃には森は緑一色に染まっているでしょう。
コメント (2)
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