樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

魚のような鳥

2015年09月17日 | 野鳥
先週、「病み上がりのシギチ観察」で予期せぬ鳥との出会いをご紹介しましたが、その日は予期せぬ出会いがもう一つありました。
干拓地を一周した帰路、最後のポイントに寄ると、いつもはサギ類とカルガモしかいない休耕田でカルガモより小さいカモが6羽採餌しています。「もうコガモが来たんだな」と思って、とりあえず動画に収めました。
ところが、帰宅してパソコンで見ると6羽のうち5羽はコガモではありません。拡大画面と図鑑を何度も見比べたところ、シマアジのようです。
下の動画はYouTubeで解像度が低いですが、オリジナル映像では、エクリプスながら白い眉斑とクチバシ基部に白点が見えます。



現場でも一瞬「シマアジかな?」と思いましたが、そんな珍しい鳥が6羽もいるはずがないのでコガモと同定したのでした。
自分のライフリストを確認すると、1993年9月にこの干拓地で観察したことになっていますが、どんな状況だったのか、どんな姿だったのか記憶がありません。多分、遠くに浮かぶカモを「あれがシマアジ」と先輩に教えられて実感がないままリストに加えたのでしょう。いずれにしても、私の実感としては今回が初めての出会いです。
「シマアジ」といえば一般的には魚の名前で、鳥の名前とは思えません。柏書房の『図説 日本鳥名由来辞典』で調べると、「シマ」は「変わった」という意味の接頭語、「アジ」は「コガモ」の古名とありますが、「アジ」の項目を見ると「トモエガモ」の古名となっています。このあたりの疑問については、昨年「シマアジとトモエガモ」に書きました。
ついでに、シマアジのように魚にも鳥にもある名前を調べたら、フグの仲間のウミスズメ、スズキの仲間のクロサギ、ワカサギの別名のアマサギがありました。
バーダーとフィッシャーが話をしたら、噛み合わないでしょうね。
コメント (2)
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