樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

里帰り桜

2012年04月09日 | 木と歴史
日本からアメリカのワシントンに桜の苗木が贈られて今年でちょうど100年。テレビでも報道されましたが、現地では100周年記念の大々的な「桜祭り」が行われ、日本からAKB48も参加したとか。
贈られた苗木は、穂木は東京の荒川堤の桜並木から取り、台木は植木の産地として高い園芸技術を持っていた兵庫県伊丹市の東野村で作られたそうです。
ポトマック河畔の桜並木が世界的な名所になったため、それを感謝して、苗木贈呈90周年の際に全米州議会が、ワシントンの桜から採取した苗木を日本に贈りました。
そのうちの何本かが伊丹市の公園にあると知って、先週の金曜日に行ってきました。あいにく小雨模様で、花もまだ1分咲き程度。


桜の下には「日米友好の桜」という説明看板が立っています

伊丹市では「里帰り桜」と呼ばれて市民に親しまれているようです。また、今年は「日米友好の桜100周年記念」のさまざまなイベントが行われました。
そもそも「アメリカに桜を」という声は、来日経験のある学者や作家から上ったようです。日本の桜の美しさに感動し、何とかアメリカに移植したいという声が高まり、当時のタフト大統領夫人が運動を先導して実現したという経緯があります。
伊丹の東野村に発注された台木の数は1万5千本。その中からソメイヨシノ1800本をはじめ、12品種のサクラ約3000本が選別され、1912年 2月14日に横浜を出て、3月27日にワシントンに到着しました。


僅かに開花した「里帰り桜」

以前にもご紹介しましたが、その桜の返礼としてアメリカから贈られたのがアメリカハナミズキ。戦争中に「敵国の木」という理由で多くは伐られたようですが、その後の追跡調査で数本の原木が残っていることが判明しています。

コメント (2)
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