樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

時代おくれの鳥

2012年04月05日 | 野鳥
関西では今年は冬鳥が少なく、京都御苑でも例年なら探すまでもなく見られるビンズイが、歩き回らないと見られませんでした。下の動画も@京都御苑ですが、2回目の訪問(2月)でようやく撮れました。



このビンズイによく似た鳥にタヒバリがいます。私もそうでしたが、初心者には識別できないほどそっくり。そのタヒバリは近くの干拓田に冬鳥としてやってきますが、地味な色で冬の田んぼに溶け込んでいるので目につきません。
名前は「田雲雀」ですが、ヒバリの仲間ではなく、ビンズイとともにセキレイの仲間。この鳥の別名は、ツチヒバリ、クサヒバリのほかタスズメ、タホオジロなど、いずれも他の鳥に例えた名前です。姿も目立たないし、名前も借り物の地味~な鳥です。



タヒバリを見ていると、『時代おくれ』という歌を思い出します。河島英五の歌ですが、作詞は阿久悠。「♪目立たぬように、はしゃがぬように~」とか「♪似合わぬことは、無理をせず~」とか「♪飾った世界に流されず~」という歌詞がタヒバリにはぴったり。「♪時代おくれの鳥になりたい~」と歌っているようです。
私も若い頃は「地味な人生は送りたくない」と思っていましたが、いつの頃からか「目立たぬように、地味に生きよう」と思うようになりました(笑)。
もう北へ帰ったでしょうが、何だかタヒバリに親近感が湧いてきました。

コメント (2)
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