湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

9/5 高校生向けシリーズ03「にほん防災(福祉)むかし話」

2024-09-06 02:22:00 | 地震津波災害ボランティア
⚫︎「にほん防災(福祉)むかし話03〜東日本大震災•大船渡 不審者発見!〜」
<第一話>
むかし むかし
金欠独立災害ボランティアの飛田なる爺ぃが、長距離バス盛(さかり)駅前に降り立った。朝が苦手だから、もじゃもじゃ、ぼけぼけ。

JR線は被災して運行していない。無人化駅の水道は出なかった。携帯も圏外。

コンビニないかなと国道を歩いていると、前から小学生4人。あれ?休校していないのかなと思っていると、「おはようございます!!」と、ばかでかい合唱。ばたばたと走り去った。次の6人も同じ。

コンビニで朝食を取り、盛駅に戻ると、駅売店が開いていた。そこは普段の売店ではなく、地元災害ボランティアの連絡所であり、カンパ商品の販売所だった。

小学生が礼儀いいねというと、おばちゃん、げたげた笑い出した。あれは、先生が、今は身元のわからないよそ者がきているから注意しなさい。ひとりで歩かず、大きな声で挨拶して、その場を去りなさいとおしえているという。ああ、私は怪しいおっさんなんだと自覚した。でもねえ「よそ者」ってなに?

休校していないのはなぜかと聞いた。学校が避難所に、なっているけど、山側の子は、家族といえにいて、避難していないから、大人の邪魔でしょ。授業はまだでも、安否確認もいれて、出席だけとっているんだよとの話。ここですよ、校庭も仮設建っていて、キャッチボールもできない、さまよえる小学生。さて君らの出番ではないかい。
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<第二話>
大船渡駅の近くの湾側を夜中に歩いていた。街路灯もなく、真っ暗。ビルの1階は津波が突き抜け、ひん曲がったシャッターが懐中電灯の灯りの中に見え、ひと気がない。マンホールの蓋がないから、危険。

ここは4階と5階の間に津波の跡。恐ろしい。何人ひとが死んだだろう。と、夜空の中に黒い影。ぞっとした。高齢女性だった。様子がおかしい。思い切って声をかけたが、返事がない。お化けと話してもいいやと近付いてみると、左右違う履き物を履いている認知症徘徊(調べなさいな)の方で、尿をもらしていた。助かったのは大人しい方で、ひたすら、私の家に帰ると繰り返していた。まわりにひとはいない。湾との境のガードもなくなり、マンホールも蓋がない。危険だ。携帯が使えない。このまま警察署に連れて行くのが恥をかかせることにならないか。

遠くに薬局の灯りが見えた。決断して夜間営業している薬局に、だましだまし連れて行った。正解だった。私が紙おむつを買い、偶然残っていた女性従業員が、オムツ交換と彼女ロッカーから、パンツを持ってきて、履き替えさせた。トイレがみつからなかったんだねと話。薬局の固定電話からパトカーを呼んで、私も同乗して、警察に保護してもらった。

話を聞くと、毎日10人弱の高齢者が保護されているという。被災地の実情。認知症だけではなく、路上で体調を壊したり怪我をして発見保護される方を含んでいる。なくなるひともいるが、こわいことだが、本人が語る家族を探したが家族の消息がわからないひとがいたという。これが災害だ。路上餓死は地方都市部ではいないが、阪神淡路大震災のときはいた。

この方、拘置所に入れるのですかとダイレクトに聞いた。まさかと笑い町内会有志の宿泊ボランティアが、家庭で預かってくれる。安心していいと聞いてほっとした。このボランティアは寺社教会の宗教団体が多いと聞いた。徘徊者だけでなく災害で家庭崩壊があってせいかつできなくなった避難所が無理な要援護者が保護されている。福祉避難所はまだ少数でやっと機能している状態だから、ひとの好意は静かに生きていた。お互い様は、きれいごとではない大事なことだと思う。

しかしこの糞尿パトカー経験は、次は私だった。それはまた今度。

焦って盛駅前に戻って、深夜長距離バスに間に合った。
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ボランティアって、じつは必要に応じて、見えないところで生まれている。知らないだけ。やれることをやるのも立派な活動。でもそれは、個人の想像力と、やってしまうドジな決断だ。やりながら考える、これね。

やっと終わった
めでたし めでたし


(校正1回目済み)




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