2020/10/08 記
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母の症状は、処方薬を飲んで一応落ち着いているが、頓服がやや催眠性があって、服薬後は居眠りしている。ここ30年、私は以前集めていたレコードやCDを聴いていない。レコードは大半を売り、東日本大震災支援にと、中古車を陸前高田に贈る資金の一部になり、今残るレコードは100枚ほどになっている。CDは現地活動の実費に1/3ほど化けた。しかし、残りのLP,CDは、そのプレヤーがなく、知り合いの喫茶に年に一度持ち込んで、顰蹙かいつつかけてもらっている。音断ちとでもいうのだろうか。幸いジャンルは流行と無縁なので、機器を買い込めば再開できるのだが、しまっておいた音源が、引っ越しで再度日の目を見たのだが、今は棚に並んでいるだけだ。未練がましく持っているのは業というものだ。
そのうちの一枚に、「白毛女」があり、貧弱なジャケットを見ていると、ドラマチックな旋律が脳裏に蘇ってくる。
ようやく段ボール箱はあと3箱。人から言われたとおり、引越しは、してから1ヶ月というとおりだ。
絨毯が入ったので、ごろり寝転がることができるようになった。しかしこれも、寝転がれば5分待たずに眠りこけてしまうので、これもタブーだ。
今日は母の主治医が休みなので、母を眠らせておいて、コロナ禍下の要援護者支援の防災活動のランダムメモを書いた。社会活動の火がコロナ効果で消し去られないように、原点だけは洗い出しておこうとした。まだ途中だが、一段落ついたら、公開するつもりだ。
夕食は次第に自炊に戻し、母の好きな「ほうれん草のコマあえ」を作ろうとして、呆然とした。すり鉢がない。引越しの混乱で、紛失したのだ。あわてて、傘を持たずに、近くのスーパーに走り込み、「すりごま」を買った。外に出たら雨がつよくなっており、びしょ濡れになって帰った。さて食卓に乗った「ごまあえ」は、母の「ごまが古い」のひとことで、一箸つけただけで残ってしまった。家事介護の日常茶飯事そのものだが、疲労感が残る。
脳裏を「白毛女のオープニングテーマ」が流れているのが、なんともシュールだ。
夜間傾聴:ひとり(「白毛女」を「しらけおんな」と読んだ猛者、言い得て妙なり。)
(校正1回目済み)