湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

活動の中にも雨が降るときがある

2009-12-03 15:25:55 | 引きこもり
職探しの依頼を請けた**さんの件で、県商工労働部の□さんと連絡を取った。時期が師走、□さん、慌しいところ申し訳ない。いつも思うのだが手帳取得していない方の就労支援は、何とも下手な鉄砲のようだ。手帳を取得するかどうかということも、いつも問題になる。本人の心の負担にならないように、やたらに引っ張ってはいけない。履歴書を早急に受け取り、彼とともに、ともあれ□さんのところとハローワークという表玄関は、くぐっておく必要がある。

もうひとりの方は、話を受けてから調子がよくない。むしろ傾聴カウンセリングの時期だ。次の展開を□さんとも話し合っておく。待機。

珍しく地元依頼で動いている。多摩センター君(仮名)が、私の巡回からはずれ、巡回先が減って次の方の交代話がないことや、父の介護の乱れがあるので、地元巡回にいっそその時間を割り振った方が、収入にはならないが「必要とされていることを成す」という意味で、今の時期の選択としては賢明に思える。

父をデイサービスに送り出した後、母は主治医の診察をうけに、東京に出かけて行った。今回は掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の皮膚科の方。洋紙の角が触れただけで、掌の皮膚が切れてしまう。急性期と寛解期があり、今は急性期を徐々に抜けていくところらしい。外来はひどく待たされるので、帰宅も父のホームからの帰宅時間には間に合わない。

母に遅い朝食を出した後、家事を済ませて母を送り出した後、家を出る。16時半までに家に戻って待機しないといけない。父の宗教の信者さんが、階段介護を手伝ってくれるが、今回は介護の誘導が初めての方。母が留守なので、父の癖である「突然手を伸ばして、周辺にしがみつく」危険行動の見張り役がいない。襖にしがみついて穴をあけて、襖ごと転倒したり、前側の誘導者をまるで巴投げで投げ飛ばすように重心を崩して、回りを巻き込んで転倒することもしばしばだった。

ホーム職員のFさんのときは、手と手を取った状態で安定して移動するので、やはりこの行動には不安があるのだと思っている。対面誘導を私がやると嫌がるのは、しがらみがあるからで、父は沽券を振り回したいところ。だから転落の危険も相対的に少ない前側、対面側に第三者を御願いして私は背後の支え側にいる。

今回は条件最悪だった。宗教の信者さんは、困ったことに皆、スーツ姿をしている。介護をスーツ姿でやるので、身が引ける。それが父の不安を一層かき立ている。案の定、2回、父は誘導中、突然手を振りほどき、襖に倒れ掛かって手を伸ばした。予測済みなので身を遮断したが、臨時誘導者には事前に言ってあるが、突然で、彼の動揺は隠せなかった。こうして3回、転倒は避けられたものの1回は階段落下の危険を力づくで回避した。3回とも父は床にへたり込んでしまった。腰が落ちると、父を立たせるのが大騒ぎ。父がその途中、尿意を催して紙パンツを慌てて脱ぎ始めるなど、トラブル続き。私が再び外出する予定時間は大幅に遅くなってしまった。

父は若い頃から人の指図を嫌い同調しなかった。困った解釈の後始末を家族に押し付けてきた。だから、介護の場では、その過去への怒りや恨みを一時封印して関わるつもりでいるが、父の側も立場を感じて誘導を任せられないのだろう。

このまま父をひとり残して外出するのは、気がかりだった。ここまで平常時よりも状態が悪いとき、かならず転倒を起こすからだった。そして無理して階段を降りようとするというのが常だからだ。

椅子を階段の上に持ち上げ、扉が開かないようにし、階段下に車椅子と椅子のバリケードを組んだ。父は扉があかないと体当たりする。だから交代空白時間を考えて、1時間ちょっと買い物で外出するからと父に言っておいた。体当たりで扉の蝶番がこわれるのは沢山だからだ。落ちたら助けに来てくれないことを付け加えた。

「あすなろ会」の定例会は19時から。もう時計は18時に近づいていた。茅ヶ崎サポセンの前のジャスコで急いで買い物、食事を詰め込んでサポセンに飛び込んだ。Tさんが来ていなかった。酒を飲んでつぶれていると言う。ここ半月様子がおかしかった。ビッグイシューの販売部数が異様に伸びているが、そのために、一般に言われるように、収入あれば酒にしてしまうというひとではなかっただけに、異常だった。

話を聞いていて、何かが起きていることを感じた。捨ててきた実家に何かが起きているか、現在の仲間内で何かが起きているかだった。張り切っている販売員のEさんに事情を聴いているうち、販売が延びているのは彼の力だと分かってきた。古参が追い上げられているのを感じた。屈折した事情を抱える活動は、いわば傷だらけだ。そこでは一本調子のガンバリズムや競争は馴染まない。こじれれば憎しみや対立へと歪んで行ったり、ふたたび敗者が挫折の泥沼に引き込まれたりする。これは追い抜かれた側だけの問題ではない。頑張りすぎれば、背負い込んでいる荷の重さの逆襲がやってくる。長期戦に耐えられずに折れてしまうことも起きる。ほんとうに生臭いひとの世界が販売活動ひとつにせよ、そこに横たわっている。若い人とも違う中高年のしんどさが後を追う。

私たち支援者にできることは、こうした波の緩衝材、孤独に閉じないように寄りそうことだ。

幸い今日雨が降った。巡回の帰り、Tさんを探すつもりでいる。

夜間傾聴;*******君(仮名)
     中央林間君(仮名・こちらから)


(校正2回目済み)

コメント
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