湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

《木のおもちゃを作ろう(工業デザイン・序)使う人のいる創作 保母さんに意見を聞く 》を載せました

2004-10-11 06:11:37 | フリースクール
--- 今回も教材ヒント集の「木のおもちゃを作ろう」の解説です。以下のリンクから入り「自習のヒント集」をクリックしてください。

《木のおもちゃを作ろう(工業デザイン・序)》(自習のヒント集へ)

 今回は木工を通して「工業デザインの楽しみ」という道を歩いてみた。工業デザインにはユーザーがいる。使う人を想定してものを作る。

 乳幼児向けの木のおもちゃは、そういう意味では極めて洗練された、いいかえれば作者の祈りのようなものが込められたフォルムを持っている。

 単純さが易しさにつながるとは限らないのも乳幼児向けの製品だ。そして大人のように視覚に頼るのではなく五感、特に触覚を意識する分野でもある。

 はじめ私が学生のころ取り組んだのは、卵形の木の塊を作ることだった。底に鉛(毒なら鉄)を埋め込めば、起き上がりこぼしのようになる。ところが、彫刻刀・紙やすりを駆使し、丁寧に20時間かかってできたものがどこかいびつできれいにころがってくれなかった。中学生のころの試みだから、木が均質と思い込んでいたのだ。しかし、できあがりの卵をずっと紙やすりでなでまわしていた。1ヶ月も作り直していただろうか、卵は小さくいびつになったが、重石を埋め込む前のころがりが自然になったのだ。嬉しかった。しかし外見と動きが両立しない厳しさを知った。だからこんな気の長い話を紹介していくのはどうかなとも思っている。

 幼児の遊びの素晴らしい実践に磨き上げた泥ダンゴつくりがある。素敵な本が出ている。

☆「光る泥だんご」
(加用文男編・ひとなる書房刊'01.8 ISBN:4-89-464049-X)
---
鎌倉市中央図書館     1003245410
茅ヶ崎市立図書館分館  0210823811 376カ
藤沢市市民図書館辻堂館 2001615414  376.1


 だが夢中にダンゴを磨く幼児の姿には、ひとのものづくりに一脈通じる表現への熱い思いを感じる。

 木工は時間がかかる。僕のやった授業実践では「マジック・ハンド作り」「表札作り」「積み木作り」ぐらいだが、「マジック・ハンド」では、切断・穴あけ・研磨の工程だけでも2時間枠に収まらなかった。

 僕はグラインダーとかボール盤(アマチュア用)チェーン・ソーなどは本物を監視下で使用させた。困ったのは糸鋸盤だった。鋸刃が折れてしまう。多少の熟練がいるのだ。ぶっつけ本番というわけには行かなかった。

 しかしたった一枚の板切れの表面を磨き上げると、その柔らかな形の板は、彼に連れそう親しいものに変わるのだ。バーナーで表面を焼いて磨いた表札は、今もその子の家にかかっている。

 木工をやるといくつかの発見がある。HPの画像にあるような車を作るとき、まず大きな穴が開けられないのだ。工具がないことと、木がひび割れてしまうことだ。大きな板の時に穴を開けてから板を切り出すという段取りがいる。そして曲線を作るのには根気が要るということだ。大体の形を切り出してから最後は紙やすりで仕上げ、キャンバス布で拭いていく。無垢のままでおくか、ニス塗りをするときも、この木地を幼児が舐めるのだということを意識して色を混ぜないで仕上げる。

 怪我をしないように釘を使わず車輪を作るが、車輪がはずれてしまったり、車軸が折れてしまう。その調整がいる。だから初めは徹底的に製品の真似をする。

 しかし電動工具は危険性も高いし、数万円まで値下がりしてきたが値も高い。音も耳障りだから工作室のような場が提供できれば最高なのだが。

 作ったおもちゃは、知り合いの幼い子にプレゼントしてもいいし、突飛だが保育園や民間保育所におしかけて、保母さんと話をしてみてもいい。必ず確認してほしいことは、自作の遊具を乳幼児が気に入ってくれるかということ。その姿を見ると、次作への励みになる。相手に使ってもらうものを作るということが、今まであったろうか。勿論手芸の経験を持つ子もいるだろう。しかし、おもちゃ作りもまた、技術を越えたつくることの手ごたえがそこにあるのだ。

(参考サイト)

●家具&木工検索エンジン(木製玩具・遊具)
http://www.fuchu.or.jp/~kagu/cgi-bin/navi/yomi.cgi?page=1&mode=kt&kt=05_05&sort=mark

●東急ハンズ藤沢店
http://www.tokyu-hands.co.jp/fujisawa.htm

●ドイト藤沢店
http://www.ssss.or.jp/manager/zyunbi/kawa_5.html
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする