数年前、同好会の茅野さんが自製の製本機を活用されていることを知り、遠慮もなしに同じ物をと所望した。忙しい時間を所望品のためにさいていただき、資材、工具すべて茅野さん準備で制作してもらった。製本機の使用法と製本のノーハウも合わせ教授してもらい、大切な一品としている。製本機所持以前のブログを印刷、製本した。並べるとそれなりの味がある。以後は1年分を1部製本している。
先日からブログが12年目に入った。今ではブログの1年が過ぎると当たり前のように印刷し製本している。今回も世に1冊しかない11集目が完成したと喜んでいる。息切れしないで続けられるのは飾らないで自然のままに書いているからだと思っている。高邁なことを書く力のないことが幸いしている。
これまで、製本の意味を深く考えもせずに気安く「毎年製本している」と書いてきた。製本とは「原稿・画稿・印刷物・白紙などを糸・針金・接着剤などで綴じて表紙をつけ、小冊子・書籍などに形づくること(広辞苑)」とある。自作のブログを原稿としそれを印刷、教わったノウハウ通り接着剤で綴じ冊子としたので製本に該当するだろう。外注でないから手作りとする。
「そんな面倒なことをせず外注すれば3千円か4千円で硬表紙の立派な冊子ができる」と教えてくれた人がいる。印刷は頁ごとに状態を確認しながら刷る。頁が進むにつれ冊子らしくなる。表紙印刷は何度か失敗しながら工夫して完成して今に至る。こんな過程も楽しみながら冊子に仕上げている。特に綴じて最後の工程となる表紙取り付けの緊張感と仕上がったときの満足感は外注では味わえない、と今年も一人喜んでいる。