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芭 蕉

2021年04月23日 | 自然 季節

 芭蕉はバショウ科の大形多年草の一つ。多年草は、冬期に地上の大方の部分が枯れ、中には崩れ落ちたように形が消える株もある。しかし、根っこというか地下部分は越冬して次の春には芽をだす。そして夏には見上げるほどの高さに成長する。その葉は大きいが非常に破れやすいという特徴がある。夏には珍しい花をつけバナナの形状に似た実をつけることもある。

 破れやすい葉だが、古の人はこの繊維を使って布を織ったという。子どものころ、さすが芭蕉布とはしなかったが、郷土料理には欠かせない用途があった。それはは岩国寿司の仕切りとして重宝された。我が家では5段重ねの押し寿司の仕切りに使った。近所の家からは祭りや家々の祝い事で寿司を作るときにとりに見えていた。

 暖冬といわれた今冬、染井吉野の開花は全国で10日から2週間も早く、早咲きの記録を各地で更新した。ここ数日、最高気温が夏日を超えた地方もあった。散歩には少し汗ばむような日、枯れ落ちてわずかに残っていた茎の間から新芽がのぞき、すでに芭蕉の葉の姿になっていた。松尾芭蕉は自宅の庭の芭蕉から名付けたという。

 芭蕉は人の一生のような生き方を1年の間に見せる。新芽を誕生、四季を経験、暑さ寒さ風雪にも耐え、寒くなると葉脈に沿ってちぎれ終焉を知らせ、さらに細くなり枯れる。しかし、根っこは越冬し新しい芽吹きに備える。人類は約700万年前にアフリカでサルから分かれて進化したと考えられている。芭蕉の歴史はどこから始まるのだろう。
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