
もう何年も定期健診で通っている眼科医院がある。ふとした会話からカメラの話になり「ファインダーでピントが合いにくくなり都度眼鏡をかけては覗いている」と話した。眼科医は机上の機器を指しながら「使用している検査器機器には視度調整機能があり、眼鏡を使用しなくてもピントが合う」という。
カメラにも同じ機能があれば、高齢者や視力の低下した写真愛好家は助かる」と眼科医と意見が一致した。ここからが無智の怖さで「カメラメーカーさんに提案」などと思い上がって帰宅した。こういうときは急がず気を落ち着けることが大切と、まずネットで「カメラの視度調整」で検索すると載っている。
調整の仕方は至極簡単。半信半疑で調整ダイヤルを回すと一発で調整が出来た。眼鏡なしでファインダー内がはっきり見える。試しに写してみたが問題はなかった。説明を読むと「一眼レフを買って、最初にするのが視度調整。簡単な視度調整をせずにピントが甘い写真や、手振れのような写真を撮り続けている人がいる」とある。一眼レフを使い始めておおよそ60年、視力の衰えが教えてくれた新知識だった。
私用している愛機は10年近く使っているが、撮って楽しむ方で難しいテクニックで撮ったなどと言う記憶は無い。分厚いマニュアルはあるが、役立てていない。静かに思えば視度調整、カメラを作る側が気づかないはずがないと気づく。メーカーに提案の話、何かの失敗や恥を話すときまで蓋をしておこう。これでいい作品が出来れば恥をかきかけた恥ずかしい話もカバーできるかも。