角を曲がったら、少し先を行く女性は女の子と手をつないで歩いている。女の子は手をつないだままスキップしたり顔を上げて会話している。何とも楽しそうな姿が見ていてわかる。散歩かな、と思いながら追いつき追い越す時だった、女の子が「おばあちゃん」と呼びかけた。孫と祖母の二人ずれと分かった。
祖母へ呼びかけた女の子は上空を指しながら「とってもきれいなお空ね」と話かけた。その言葉遣いといい話し方といい、それは詩を朗読するかのように聞こえた。今日も良く晴れた、そんな俗っぽい言い表し方に慣れている私の耳が驚いろうと思った。少し行き過ぎて振り向くと、祖母はしゃがんみ孫目線で会話していた。何とも言えない光景に女の子の幸せを感じた。
雲一つない青色だけの上空、澄んだ心の持ち主の女の子だから、飾り言葉なしに発せられたのだろう。うらやましい。米タイム誌で「今年の人」に選ばれたグレタ・トゥンベリさん、16歳にして気候変動対策を世界に向いて発信している。
青い空を巡る現実の世界はどうだろう。マドリード(スペイン)で開催中の国連気候変動枠組条約第25回締約国会議(COP25)の報道を見ると、地球が一つになって環境改善に進む姿は見えない。先進国といわれる国々を中心に産業界などが規制に後ろ向きのように思う。グレタさんの訴えを為政者はもう一度聞き思いを変えて欲しい。そのことが、街で出会った女の子の美しい心をより大きく育てることになる。