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随分前になるが「8020」というタイトルで書いたことがある。その意味は「満80歳で20本以上の歯を残そう」という厚労省や日本歯科医師会により推進される運動を意識し、健康な歯を残そうと思ったことによる。その目安の一つに「タクアンをパリパリと食べれる」ことは一つの指標と勝手に決めた。朝夕、念入りに磨き、定期検診も受けている。
何かといえば年のせいにするが、それでも蝕まれるので簡単な治療や補修を何度か受けて来た。いつからか歯科医として気になる1本が見つかった。自覚する症状は全くないので、何度か簡単な手当てを受けていた。ところがこの春先ごろから、タクアンは別の歯で食べれるが、問題の1本にどうかするとチクッと痛みを感じ始めた。
問題の歯のレントゲン写真による詳細な説明で、抜歯し義歯、いわゆる入れ歯で対応することになった。抜歯は体調を確認して麻酔から始まる。処置は思いのほか短時間、出血もすぐに止まり抜歯は終わる。抜いた歯の説明を受けながら、こんなに小さな1本が、これまで78年間の長い間頑張ってくれたのか、思ったこともない感謝の念が湧いてきた。
「まだお持ちですか」と歯科医に笑われながら親知らずを抜いた記憶以外に抜歯は思い出せない。その歯科医院は予約制だが早朝開院、7時から抜歯、通常通り出勤出来る有難い医院だった。もう1本、問題を抱える歯があるが、今のところ応急処置でなんともない。残り1年余で80歳、さて目標達成なるか、まずは歯磨で頑張ろう。