
隣の席からおしゃべり、特に聞くつもりはないが聞こえてくる。話の内容は、失礼だが、しゃべっている人らが若いころ仕えた上司のあれこれ。相当に年数が経っていると思うが鮮明に思い出しているところを見ると、よほど腹に据え兼ねる人だったようだ。聞こえる内容に身にいくつか似た話があると思い出した。
「例の資料できましたか」とある朝始業前に上司の最速があった。「今から作業します」という返事に、「今から始まる会議に使う資料、だから昨日頼んだ」という。確かに昨日指示された。しかし、それは午後8時をまわっていて、私が帰宅準備をしている時で、上司は宴席の帰りだった。反省、指示されたら「いつまでか」と締め切りを必ず確認する。
ある検討テーマの進捗場を聞かれ「だいたい順調に進んでいます。ただ一つ〇〇さんの関係が送れています」、こんな返事をした。「だいたい」とはなんだ、と詰問で返された。おおよそと言えばよかったのだろうが、つい教養の無さが表に出た。先輩から「概ね」と答えたらよいと教わった。
パソコンなど夢のころでも、エクセルなら苦も無く出来る資料を電卓を最新の文具として横に長い表を作る。表中の一マスの数値が変われば縦横再計算になる。まだできないのかと聞かれ「締め切りまでには完成させますから、もう少し待ってください」と答えた。根性悪なのだろう、今なら苦笑にも値しないことを懐かしんでいた。