日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

平成最後の報恩講

2018年12月20日 | 生活・ニュース

 報恩講がその年の最後の寺参りになる。報恩講は「親鸞聖人の御命日を縁に宗祖の遺徳を偲び報謝の集い」と寺報にある。月末にやって来るクリスマスはキリストの降誕祭であるが、宗祖の誕生を祝う集いは「親鸞聖人降誕会」として開かれる。他にも幾つかの集いがあり、昼食が出される。この昼食をお斎といい、精進物で作られている。

 この地域は町筋を一歩離れると、60年も昔には肥沃な土地が続く畑地だった。通学路沿いには幾種類もの野菜が競うように育っていた。しかし、大きな道路が開通し、畑が宅地へと変わり様相は大きく変わった。それでも野菜作りは続いており、お斎の精進物は門徒の農家さんの畑からの直送が多いと聞いている。今回は錦帯白菜の白和えが特筆だった。

 いつだったか、役にも立たない雑談をしているときだった。何の話しからか「お斎」が話題になった。その時、私より年配の女性が「おとき」は何かと訊ねた。すると、私より若い女性が「あんたあ、お斎を知らんのん」と口にした。その口ぶりは年配の女性を卑下した言い方で座が白けた。場なれした人が中に入りお斎の話題は変わった。齢に関係なく、仏縁がなければ丁寧語のお斎を存じない人もあろう、他の宗派を知らない自分に置き換えて思った。

 法話の中で、聖人の生涯を絵詞で記した「親鸞聖人伝絵(でんね)」がある。これは、文字が読めない時代は教えを言葉や絵で伝えた。その言葉や絵によって生かされ励まされたという。寺には宝永元年(1704)作の伝絵がある。一つの絵に複数の同一人物を描いて時の経過を表している。映像に頼る今の時代の先駆けの姿であった。伝絵の続きを勉強したい。
コメント (2)
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