日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

身近な風景に新発見

2018年12月18日 | エッセイサロン
2018年12月18日 中国新聞「広場」掲載

(セレクト掲載の写真)

 15日付セレクト5面「小瀬川にエッフェル塔」の写真に見入った。塔のような設備は、60年前、国内で初めて石油化学コンビナートが操業した地に立つフレアスタック。余剰なガスを燃焼処理するためのものだ。私は定年までこの塔を見ながら勤務した。
 フレアの炎の大きさが石油化学産業の象徴のような時代もあった。環境に対する社会の意識変化と技術の進歩などで、そうした時代は遠く過ぎ去った。
 長年、塔を見ていたのは小瀬川に架かる国道2号の栄橋からだった。写真の様に下流の、それも河口に降りて眺めたことは一度もなく、「エッフェル塔」を捉えたカメラ目線の素晴らしさを知った。
 塔の下を横切るのは連絡橋で、川の両岸の工場が原材料などをやりとりする重要な役を担う。その塔と橋は一体の設備であり、背景の深い青色の空に映える姿に、長年の風雪によく耐えたものと感動した。
 各地でコンビナートの夜景を巡るツアーがある。季節や時間、場所をうまく調整すれば、新しい風景の発見があると思う。観光化されていないさまざまな風景の発掘を期待している。
コメント
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