涙の力、それは女性にとって大きな武器と言われた。何事につけ男女共同の世界が唱えられる今、それは過去の言葉に感じる。そんな涙の話ではなく、すごくまじめな話。
涙の役目。目の表面への栄養補給、瞼を円滑に動かす潤滑材、細菌・紫外線から目を守る防御壁、雑菌の消毒、これらは素人にも分かる。この涙を目全体に運び、涙の役目を果たさせるのが「まばたき」。
涙が出なくなったら最終的には失明にいたるといわれる。涙の量が少なくなれば治療が必要になる。「涙の出が少ないですね」そんな診断を受け眼科医の世話になっている。涙が少ないのは「薄情な男だということですか」と聞いたら「それとは関係ありませんよ」と検目機を覗きながら返された。
「まばたき」についておさらい。まばたきは目のまぶたの開閉運動のこと。1回のまばたきの速さは平均で0.1秒から0.15秒といわれる。まばたきには、無意識に行う周期性、目に光が差し込んだときおこなう反射性、意識的におこなう随意的の3種類がある。大人は1分間に15から20回の周期性まばたきをする。まばたきの回数を覚えていないのはその間は脳の一部が休止しているからという。
パソコンやスマホなど操作しているときは、周期性まばたきの回数が数分の1に減るという実験結果がある。これは目を酷使し痛めていることになる。仕事で長時間携わる人は要注意。1時間に10分くらいは目を休める、現役のころはそんな指導も受けた。
パソコンを使い初めて相当な年月が過ぎ、多少は無理の効く年齢を過ぎた。思い立ったが吉日、パソコンを使うとき目の乾燥予防法を始めた。机の奥の壁に、ノートパソコンの蓋を開いた上部のあたりに「まばたき」と書いた名刺大の注意書きを貼った。はじめは目障りになったが、人間が単純なのか数日すれば意識してまばたきをしている。いつか、効果のほどがレポート出来ればいいのだが。