朝7時過ぎ、いつものようにネコ額ほどの庭に出てなにか物足りなさを感じる。普通なら子どもらの登校中の会話が聞こえるのに、ランドセルを背負った人影が見えない。そうか、今日は土曜日で休み、毎日が日曜の生活は時として曜日の感覚が薄れることがある。
近くの子どもらは夏休みが終わるまでラジオ体操をしていた。6時を15分も過ぎると、今日も元気、そんな子どもらの声がセミの鳴き声と一緒に聞こえていた。ラジオ体操は土日も休みなし、よく続いたと思う。学校が始まって今は1時間遅く声を聞く。セミはいなくなった。
先日、近くの小学校の下校に出会った。ランドセルの黄色いカバーが1年生と教えてくれる。一番後ろで高学年の女子児童が見守るようについている。T字の分かれ道、「右に行く人は横断歩道を渡ってね」と大きな声で呼びかけている。バイバイ、を手を振って左右に分かれる。楽しかった学校の様子がうかがえる。
右に曲がった子ら数人は横断歩道を渡る。私も後をついて渡った。話しの内容は、ランドセルを家においてからの遊びの話し、相談は次の四辻までにまとまり3方に駈け出して行った。久しぶりに雨のない放課後、何をしようとするのだろうか。
私の子どものころと変わっていない下校時の光景に、懐かしさを感じ3方のランドセルの揺れを見送った。