
素人の持つカメラでアートな写真なんて欲望は無い。それでもこれは残しておきたい、こんなのを撮ってみたい、いろいろ思う。そんな一つ、この季節になると敷き詰めたような落ち葉の姿を、出来るだけ落ち葉に接近して写したい、長いこと思っている。
その場合は腹ばいになって目線を下げれば出来る。が、そこまではなかなか。新式のカメラではファインダーがいかなる角度にでも自在に動くのがあるという。写真に執心の知人も欲しい欲しいとつぶやいている。そんな高価なカメラを求めるほど余裕は無いし熱中もしていないが、撮ってみたいとは思う。
あるブログにそれを解決するヒントが載っていた。それは「天の橋立に行かれたことがありますか。その時、台に乗って眺められたことを思い出してください」という内容だった。前にしゃがんで両足の間から見た、そうか、そうして撮るのか、と試してみた。
カメラを普通に持つ。次に身体を前に折り、両足の間にカメラを構えた。レンズの位置が足首近くまで低くなる。モニターは自然に足の後ろ側に位置する。そこに初めて見る落ち葉の様子が映っている。これまでと違い落ち葉に接近した感じ、ちょっと感激。 カメラを動かせて構図を決めるのはこれまでどおり。何回かシャッターを押す。
対象によってレンズの高さは変えられる。これまで、膝をついて撮っていたよりはるかに低いところから撮れる。そんなことを思っていたら「何をされていますか」と声、見上げたら高級なカメラが目に、説明など失礼と思い「いや、なにも」とポケサイズのカメラをポケットへ。曇り日だったが何か気持ちよい散歩になった。