みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

二つの金の子牛

2020年05月19日 | 列王記第一

列王記第一 12章16−33節

このことは罪となった。」列王記第一 12章30節

 「おうち生活」ゆえに、宿題になっている三つの書籍の編集が捗(はかど)っています。そのうちの一つが「みことばの光」に連載していた「詩篇」を一冊にしたものの発行です。編集していた時のことを思い出しながら、作業を進めています。ご期待ください。

 ついにイスラエルは南北に分かれてしまいました。この時レハブアムは、どのような思いだったのでしょう。慌てて遣わした役務長官が殺されること、やっとのことでエルサレムに逃げたこと、ユダとベニヤミンによる軍隊を編制して北を討とうとしたことなど、新米の王の未熟さがこの箇所に露呈しています。

 一方のヤロブアムは、北を束ねて王になりました。そして、シェケムを整えて北王国最初の首都とし、ヨルダン川東岸のペヌエルを北や東からの進入防御のための場所として築きました。

 またヤロブアムは、生まれたばかりの王国がやがてダビデの家に帰ることを危惧していました。かつて預言者アヒヤが自分に語ったことば、「しかし、それは永久に続けはしない」(11章39節)をおぼえていたかもしれません。また、民がエルサレムの神の宮に上っていくのを恐れていました。そこで、自分たちの領土内にエルサレムに代わる場所を作る必要をおぼえ、行動に移します。それが二つの金の子牛を作り、北のダンと南のベテルに置くということでした。

 神はエルサレムの神殿にご自分の名を置くと約束されました。しかし、彼はその約束を踏みにじり民の心を神にではなく、金の子牛の神々に向けさせました。ヤロブアムは、神がアヒヤによって語ったことばの最も大切なことを聞き流しました。11章38節です。

 都合の良いことは耳にはいるけれども、そうでないことには耳を塞ぐ…。他人事ではありません。


2011-2024 © Hiroshi Yabuki