ユダの手紙 17−25節
当地では新型コロナウイルス対策として、厳しい制限策が実施されています。通りには人が少なく、バスや電車もがらがらです。道を歩いて向こうから人が来ると、互いに避け合います。決して民族差別ではなくて2メートル以上の間隔を空けるようにとの規制からのことです。スーパーのレジも、前の客との間隔を2メートル空けて並びます。小さなお店では店内には客一人だけが入ることができ、他の人は外で待ちます。
このような中に身を置きますと、これは大切な何かを学ぶ機会を神が与えておられるのだということをおぼえます。
ユダの手紙の後半を読みます。ユダはこの手紙を「終りの時には」ということを意識して書いています。この手紙は恐らく、ローマ帝国による迫害によって教会が苦難の中にある頃、内部的には偽の教師たちによって教会の信仰が揺らぎ、神よりも自分の欲望を追い求める者が増えてくるような事情のなかで書かれたものです。
このような危機にある中で大切なこととしてユダは、いくつかの動詞を用いています。まず17節の「思い起こしなさい」です。初めの教えを思い起こすのです。「築き上げなさい」「祈りなさい」という20節のことば、さらに21節には「待ち望みなさい」、そして人との結びつきのことばとして「あわれみなさい」「救いなさい」とのことばがあります。そしてこれらの動詞をつなぐものが、「愛する者たちよ」「神の愛のうちに」ではないかと思います。
そのどれもが、キリスト者の信仰の歩みに欠けてはならないことです。ウィルスのことでは刻一刻とたくさんの情報が飛び込んできます。それらを正しく受け取ることとともに、今信仰者に神は何を求めておられるのかを、これらのことばから確かめることができるのではないでしょうか。