ダニエル書 12章
世界を揺るがす感染症と軍事侵攻ゆえに、落ち着かない日々を過ごす今、「先の見えない…」ということばが報道で目立つように思えます。
ダニエル書の終章にあるのは、神の民が受けなければならない大きな苦難のことです。この苦難は人を振り分けます。ある者は永遠のいのちに、ある者は永遠の嫌悪に、またある者(賢明な者たち)は輝くのです。しかし4節には、ダニエルはここで聞いたことを終わりの時まで秘めていなければならないとあり、このことは9節でも繰り返されています。
ダニエルはやがて来る大きな苦難について、その詳細を知りたいと願ったのでしょう。しかし、それは叶いませんでした。9節に「ダニエルよ、行け」ということばが目に留まります。秘められ、神が明らかにする終わりの時まで封じられていても、ダニエルは行かなければならないのです。
未来について知りたいというのは、一人一人の人生においても歴史でも、多くの人の関心事です。明日何が起こるのかが分かることで、危険を回避したり大きな利益を得たりするということもできます。しかし、私たちは未来を知ることができません。勝手に予測することもありますが、確かなことは分かりません。だからといって、明日を迎えることができないわけではありません。
ダニエル書最後に位置することばは、直接聞いたダニエルだけでなく、すべての信仰者の希望です。はかなく消え去るものではなく、必ず待っている希望です。だから、分からなくても行くのです、主に信頼して…。