みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

御口をもって…、御手をもって…

2020年05月11日 | 列王記第一

列王記第一 8章1−26節

あなたは御口をもって語り、また、今日のように御手をもってこれを成し遂げられました。」列王記第一 8章24節

 7年を費やしての神殿が完成しました。8章は神殿の奉献式の模様を描いています。

 まずは、ダビデの町に置かれていた主の契約の箱が新しい神殿に運び上げられ、至聖所に安置されました。確かに、神殿はその内部が金で覆われていましたが、その中にあるのは何一つとして民が礼拝の対象とするべき物ではありませんでした。主の契約のはこの中に納められていたのは2枚の石の板。神がモーセによってイスラエルの民に与えられた十戒が刻まれたもの、神のことばでした。しかし、このような石の板は礼拝の対象にはなりえません。

 崇めるべきは、ダビデに設計図を与えソロモンに建てさせた神おひとり、出エジプト以来、何度となく民は神との契約を踏みにじってきたとしても、契約に忠実なお方なのです。

 ここには、神殿建築を成し遂げたソロモンの高揚感や自己満足は見られません。ソロモンはじめ、主に仕える祭司たちも長老たちも、前会衆も「ソロモン王が成し遂げた」という人間賛美ではなくて、真実であり続けた神をほめたたえているのです。

 15節では全会衆を前にして、24節では神の前で、ソロモンは父ダビデに神が約束してくださったことを、ダビデのために守ってくださったと語っています。語ってくださる方は真実で必ずそれを果たされるお方です。そして、神殿建築は神が御手をもって成し遂げられたことだと告白しています。神に感謝と言いながら、深いところでは「自分はがんばった」などとすり替えるようなことがあるのでは…、とソロモンのことばが気づかせてくれます。


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