列王記第一 22章1−28節
「彼は私について良いことは預言せず、悪いことばかりを預言すると。」 列王記第一 22章18節
金曜日は、数日前の夏を思わせる陽気から一転して肌寒い一日でした。でも雨もたくさん降りましたので、植物にとってはとても良いお湿りになったことでしょう。
列王記の前半も最後の章。ここは、北王国イスラエルの王アハブと南王国ユダの王ヨシャファテが一緒になってラモテ・ギルアデを奪還するためにアラムと戦おうとする場面です。
ヨシャファテはユダの王らしく戦いに行くべきか否かについて、主のことばを聞くことをアハブに提案します。そこでアハブが集めたのは400人の言ってみれば「お抱え預言者」。彼らは常に王が好むことを語っていたので、答えは明らかでした。ヨシャファテが欺瞞を見抜いたのはさすがだと思います。
ヨシャファテの「他に…?」ということばを受けて、アハブはいつも自分に悪いことばかりを預言するミカヤの名前を挙げます。ここで思ったのは、アハブがしらを切って「イスラエルには他に預言者はいない」と言ってもよかったのに、なぜミカヤの名前を持ち出したのだろうかということ。ヨシャファテに圧倒されたのかもしれません。
しかし、案の定ミカヤはアハブの好むこととは正反対のことばを届けます。18節に「彼は私について良いことは預言せず、悪いことばかりを預言する」というアハブのことばがあります。確かに、こんな人がいたら、気が滅入るかもしれません。でも、悪いことは「悪い」と言ってくれる人がいないのは不幸なこと。また、この箇所からは語る側の動機も問われます。
写真:ユダヤ人街博物館