みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

一つのこととして

2020年05月08日 | 列王記第一

列王記第一 7章1−12節

ソロモンは13年をかけて自分の宮殿を建て、その宮殿のすべてを完成させた。」 列王記第一 7章1節

 この箇所には、ソロモンの宮殿建設のことが記されています。この宮殿が具体的にどのような形をしどのように配置されているのかについて、さまざまな想像図がありますが、確かなことは分かりません。

 場所は、ダビデの町の北側の台地で、現在は神殿の丘と呼ばれている場所の南側に建てられたものと考えられています。そして、ソロモンの宮殿の北、かつてアブラハムがわが子イサクを献げようとしたモリヤの山に神殿があったと言われます。

 ソロモンの宮殿は、「レバノンの森の宮殿」、さばきのための王座の広間、そしてソロモンの家と妻の家とから成っていました。興味深いのは、「レバノンの森の宮殿」。このように呼ばれたのは、建物が四列の杉の柱の上にちなんでのことです。恐らく、森のような外観だったのでしょう。また、さばきのための広間では、神が与えられた知恵によって、ソロモンが正しいさばきを行った様子が想像できます。

 神殿の建設には7年、宮殿の建設には13年かかったと聖書は記します。それは恐らく、ソロモンが神殿よりも宮殿の建設に力を入れたということではありません。双方で延べ20年をかけた二つの建築工事が同時進行だったか、神殿が先でその後に宮殿が建てられたのかは確かではありませんが、どちらにしても、後半は資金的にかなり厳しかったのでは…と想像できます。

 神殿建設についての記事の間に、宮殿の建設の記事が挿入されているのかに興味があります。ソロモンにとって二つの建物を建てるのは一つのことだったのです。神を礼拝する所と政(まつりごと)を行う場所、そして生活の場所は切り離すことができないということを、ここから考えます。

 礼拝と生活には連続性があるのです。


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