みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

見えない関係、見える関係

2020年05月23日 | 列王記第一

列王記第一 14章21−31節

「レハブアムとヤロブアムの間には、いつも戦いがあった。」 列王記第一 14章30節

 ここには分裂したイスラエルの、南の王となったレハブアムの治世のことが記されています。聖書には多くの人の姿が描かれていますが、その視点はその人が神とどのような関係にあったのかということに貫かれていると思います。

 王なのだから、外交的にまた、経済的、社会的にどのような功績を挙げたのかということが一般には大切だと考えられていますが、聖書はそのようには見ないのです。それはつまり、人間にとって最も大切なことは何かを伝えています。

 多くの妻や女性とかかわりを持ったソロモンの後継者の彼が、父の在り方から学んで神を仰ぎ、神との関係を機軸にして王の務めをするというのは、とても困難なことではないかと思うのです。

 きょうの箇所には、二度も「彼の母の名はナアマといい、アンモン人であった」とあります。それは、「みことばの光」が解くように、父ソロモンだけでなく、母から偶像礼拝を「学んだ」ということが大きかったことを暗示しています。

 レハブアムについては、歴代誌第二11―12章にも書かれています。歴代誌ではエジプトの王シシャクがエルサレムに攻め上って来た時に、レハブアムがイスラエルの首長たちとともに「主は正しい」とへりくだっとあります。⇒歴代誌第二 12章6節 それをご覧になった主は、ユダを徹底的に滅ぼされることはなさらなかったと続いています。

 見えないお方との見えない結びつきこそ、見える世界の見えることに大きな影響を及ぼすというのだと教えられます。


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