ピレモンへの手紙 17−25節
アドヴェントの時期ですが、「みことばの光」は3月号の編集をしています。4か月先にどのようなことが起こっているのか、自分自身がどのようになっているのかもわからないのですが、先のことに取り組んでいるというのがよく考えると不思議な気持ちになります。
ピレモンへの手紙の後半を読みます。ここを読むと、パウロとピレモントがどんなに親しい関係だったかを想像させてくれます。
パウロはピレモンに、「私を迎えるようにオネシモを迎えてください」と願っています。そう願うときに、「あなたが私の仲間のものだと思うなら」ということばを加えていますが、このように言われたらピレモンは「いやです!」とは言えないだろうと考えました。しかし、そのようなパウロのことばは、ピレモンを今で言うなら「上から目線」で見下して頼んでいるのではありません。
「私パウロが自分の手で『私が償います』と書いています」ということばが心に留まります。主人の元を逃げ出した奴隷オネシモが主人ピレモンに大きな損害を与えてしまったかもしれない。それをパウロは、「私が償います」と直筆で書いているのです。「ピレモンよ、私はあなたの誰なのかがわかっているなら、帳消しにしてほしい、いや、帳消しにできるよね」などとは言いません。「私が償います」ということばをパウロが書き込んだとき、彼の脳裏には、自分のためにいのちをもって償ってくださった主イエスのお姿が浮かんだのではないだろうか、と想像しています。
この手紙のあと、オネシモはコロサイ人への手紙をパウロから磔されたテキコと一緒に、コロサイに向かいました。コロサイ人への手紙4章9節では、パウロはオネシモのことを「あなたがたの仲間の一人で、忠実な、愛する兄弟オネシモ」と紹介しています。ここから、ピレモンはコロサイに住んでいたのではないかと想像することができます。コロサイは今のトルコの中西部、ラオデキアの近くにあります。