テモテへの手紙第一 6章11−21節
室内を歩きながら祈っていて、ふと窓越しに外を見ると美しい朝焼け。前も書きましたが、その色合いは数分で変化します。
この手紙はパウロがテモテに宛てたもの。彼はテモテを「信仰による、真のわが子」と呼びます。この手紙は、1章18節からテモテへの命令、勧めが続くのですが、その際の呼びかけは「私の子テモテよ」でした。しかし、手紙を終えようとしているここでは、「神の人よ」と呼びかけます。
聖書で「神の人」と呼ばれているのでよく知られているのは、モーセ、サムエル、預言者エリヤ、エリシャです。ダビデがそのように呼ばれている箇所もあります。そして、新約聖書では、個人が「神の人」と呼ばれるのはテモテだけです。大変栄誉ある呼びかけのことばだと思います。
この呼びかけは、パウロから、いや主イエスからテモテへの挑戦にも響きます。金銭目当ての教師たちが教会を荒らす中で、パウロはテモテに「あなたはそうではない、神の人よ」と語りかけることで、テモテが目指すべき道を指し示しているのです。
それはこの手紙ですでに取り上げてきた「敬虔の鍛練」です。それを続けるには明確な高い目標がなければなりません。追い求めるべきもの、先に待ち構えているものが何かを知らせて、挑戦に応えるようにと勧めています。
この挑戦を受けて立つのは簡単なことではありません。そのためには避けること、あきらめなければならないこともあります。しかし、最後のことばがテモテを支えたのではないでしょうか。「恵みがあなたがたとともにありますように。」