みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

取り返しのつかない…?

2016年07月04日 | 歴代誌第二

歴代誌第二 10章

 バングラデシュでのテロによって邦人が殺害されたとのニュースに続き、礼拝から戻るとイラクではテロで130人以上の人が殺されたと報じていました。このような事件が頻発するので、次第に感覚が麻痺しているのではないかと恐れています。神に信頼して生活することと、このような出来事をどのように捉えるかを聖書を注意深く読んで知ろうとすることの肝要さを思っています。愛する人を失った方々に,神からの慰めをお祈りします。

 「レハブアムはシェケルに行った」から,この章は始まります。ソロモンから逃げてエジプトにいたヤロブアムもシェケルに向かいます。レハブアムにとってシェケル行きは、ソロモンを継いで全イスラエルの王となるか否かの分岐点のような所。この時、レハブアムの父ソロモンの長きに亘る大事業ゆえに民の間には不満が募っていました。民がヤロブアムを担いだのも、その表われだったのでしょう。

 しかし、この時レハブアムは経験豊かな長老の声を斥け、自分といっしょに育った行ってみれば取り巻き連中の青臭い話に乗ってしまったのです。その結果、国はヤロブアム率いるイスラエルと、レハブアムを王とするダビデの家、すなわちユダとに分裂してしまったのです。そのような点で、レハブアムは取り返しのつかないことをしてしまった、ということになります。

 レハブアムは確かに愚かなことをし、やっとの事でエルサレムに戻って来てしまいました。自分のことばがこんな結果をもたらすのかということを、今更のこととして気づいたのでしょうか。「…神がそうしむけられたからである」という15節のことばが心に留まります。レハブアムの愚かな返答さえも、神のお考えの中にあったことだというのです。ということは、とんでもないことをしてしまったレハブアムにも立ち直りの可能性があるということを示唆しているのかもしれません。主に立ち返るならば…。


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