みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

このお方に向けて

2016年07月18日 | 使徒の働き

使徒の働き13章13−25節

 きのうから「みことばの光」は、使徒の働きを再び読み進めています。

 13章2節には「バルナバとサウロを」と並ぶのが、13節からは「パウロの一行は…」と記します。実際、ここからはパウロが伝道旅行の中心となっていくからなのでしょう。

 ルカは、キプロスからなぜ、パンフリヤへそしてピシデヤのアンテオケへと歩を進めたのかの理由については記しません。可能性の一つとしては、ピシデヤのアンテオケはローマに通じる重要な通商路が近くを通っていたということが挙げられます。ちなみに、地図で検索をしてみますと、ペルガからピシデヤのアンテオケまでは現代の道を辿って徒歩でおよそ191キロメートル、所要時間40時間という結果が出ました。時速4.8キロぐらいの速度で、一日10時間歩くと4日、12時間歩くと3日ぐらいの行程だとわかります。

 ヨハネはペルガからエルサレムに戻ってしまいますが、あるいはペルガからさらに遠くに行くという計画に不満だったのか、恐れをなしたのか、確かなことはわかりません。

 パウロたちによる第一回目の伝道旅行では、訪れた町々ではまず、ユダヤ人の会堂で福音を語っています。パウロは出エジプトの時代、預言者サムエル、サウル王、そしてダビデ王と、イスラエルの歴史を辿り、イエスはダビデの子孫として、神の約束のとおりにおいでになった、そしてヨハネ(バプテスマの)もイエスを指し示していたと語ります。パウロは人々の心をナザレ人イエス向けさせます。

 決して大げさではなくて、歴史はイエス・キリストに向けて紡がれ、イエス・キリストから出て紡がれていくのだということをおぼえます。


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