使徒の働き 16章1−10節
火曜日早朝に相模原市で起こった大量殺人。曲がりなりにも障がいのある方とともに歩もうとしてきた身にとっては、聞いているのが辛いニュースです。殺人者はそこで働いていたと報じられています。何かができなければ、人は生きていてはいけないのでしょうか。決してそんなことはありません。
シラスとともに二回目の伝道旅行に出発したパウロは、初めは一回目の伝道旅行で誕生した教会を訪ね歩きました。そして、トロアスからはテモテを伴います。やがてテモテは、パウロの信仰による子どもとしてエペソ教会の責任を持つようになるのです。恐らくパウロたちは、この後で現在のトルコの北部地方へと歩みを進めようと考えていたようですが、行く手を次々と聖霊によって阻まれて、エーゲ海沿岸のトロアスへとたどり着きます。
ここで、パウロはマケドニヤ人の幻を見て、海を渡り、マケドニヤへと歩を進めます。そして、このトロアスでさらに、旅の同行者が与えられます。使徒の働きの著者ルカです。それは、10節から「私たちは」ということばが登場するからです。
パウロの伝道旅行の地をいつか訪ねてみたいという願いが少しずつ実現して、何年か前にトロアスに行きました。ローマ時代の町は崩れ、円柱は海の中に沈んでいましたが、ここからパウロたちがヨーロッパに渡って行ったのかと考えると、感無量でした。「彼らに福音を」ということばを常におぼえて、生きていきたいと心新たにしました。暗い時代に抗って生きていくためには、イエスの福音だけがともしびなのですから…。