みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

神に伺って…

2016年05月19日 | 歴代誌第一

歴代誌第一 14章

 この章では、王権が確立したダビデの周囲との関係が描かれています。ツロの王ヒラムはダビデを尊敬し、王宮建設のための資材や職人を提供するほどでした。双方は良好な関係を保ち、ダビデの子ソロモンが神の宮を建てる時にも、ヒラムは多くの資材を提供します。

 妻たちをめとり、多くの子どもをもうけます(多くの妻を得るのは神がお定めになった結婚のあり方とは違いますが…)。

 そして、長い間イスラエルを脅かし続けたペリシテ人を打ち破るのです。しかし、ペリシテと戦うのは、ダビデにとっては複雑なことだったことでしょう。サウルに追われ、ダビデはペリシテ人の地に逃げ込み、ある意味では彼らにかくまわれたのですから、ペリシテ人にしてみたら、恩を仇で返す裏切り者のダビデということになるでしょうか。

 この章では特に、ダビデが戦いの前に必ず主に伺う姿が印象に残ります。それは、複雑な思いを引きずったままペリシテ人と対峙するのではなくて、神のみこころにしたがって行動しようとしたからではないでしょうか。もし、彼が自分の思いを先に立てたとしたら、ペリシテをそっとしておこうというようになったかもしれません。

 神はダビデが尋ねる度に答えてくださり、具体的な作戦をお与えになります。名声や良い評価は、気づかないうちに自分が大きな存在だと錯覚させてしまいます。神に聞こうとしないで自分の才覚で事を行おうとします。ダビデの姿勢は、そのような誘惑から自分を守るものなのです。


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