みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

王といっしょに

2014年09月04日 | サムエル記第二
サムエル記第二 19章24ー43節


 窓を開けて耳を澄ましますと、いろいろな音が聞こえてきます。鳥のさえずり、秋の虫の声…。普段は人の話やラジオやテレビの音、自動車の走行音などだけが聞こえてきます。耳を澄ますと、普段聞こえない音が次々に飛び込んでくるのが不思議ですね。

 本章前半に続き、ここにはエルサレムに帰還するダビデを迎える人々の姿が描かれます。

 「王といっしょに」メフィボシェテは行きたかったが、欺かれてできなかったとダビデに訴えています。彼の悔しさがにじみ出るような風貌とことばです。「みことばの光」が解くように、欺いたツィバを詰問すべきを、地所を折半するようにとのダビデの裁定には、首をかしげてしまうのです。

 「王といっしょに」バルジライは、ヨルダン川を渡りますが、そこで向きを変えて自分の家に戻りました。分をわきまえた身の振り方にすがすがしさを覚えます。

 「王といっしょに」ユダの人々がヨルダン川を渡ったことを、イスラエルの十部族の人々は非難し、王を自分の側に取り込もうと双方の大激論になりました。結果は、「ユダの人々のことばは、イスラエルの人々のことばより激しかった」とあります。ユダが王を支えることになり、これが将来の南北分裂を予測させます。

 ダビデはユダとイスラエルの人々とのやりとりの間沈黙を保っています。なぜなのだろうか、自分の王としての立場が必ずしも盤石ではないことを暗示しているのかもしれないと考えるのですが…。
 



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