みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

森での戦い

2014年09月01日 | サムエル記第二
サムエル記第二 18章1-18節


 9月を迎えました。
 私が住むこの町ではきょうから二学期。私の子ども時代の体験を基にしての話ですけれども、きっときのうはみんなで協力して夏休みの宿題を「がんばった」というご家庭もあったでしょうね。

 フシャイの助言が採用されたことにより、ダビデ側は周到な準備をして戦いに臨むことができました。三軍団の長にダビデは、アブシャロムをゆるやかに扱ってほしいと命じます。謀反の張本人をゆるやかに扱うなどあってはならないと第三者としては思うのですが、子を思う親心がひしひしと伝わってくることばです。

 戦いはダビデ側の圧勝。理由の一つは、戦いが森の中で行われたということがあると思います。
 森で戦うことが、遠征をしてくるアブシャロム側と迎え撃つダビデ側とのどちらに有利かは、自明です。案の定アブシャロム側は混乱の中で多くのいのちを失います。
 そして、アブシャロム自身も…。大きな樫の木の茂った枝に頭が引っかかって、アブシャロムは宙づりになってしまいます。

 ダビデの命令を聞いていた兵士の一人はアブシャロムを殺すのを躊躇しますが、ヨアブはアブシャロムを殺害します。かつては、アブシャロムとダビデが長い間会わないのはよくないとして仲を取り持ったヨアブでしたが、それでも双方に改善は見られず、さらにはダビデ王に歯向かったアブシャロムを、ダビデの命令を無視して何の躊躇もなく殺害してしまいます。国を思えばヨアブは為すべきことをしたと言えますが、どこかに引っかかりを覚えます。

 18節からはアブシャロムの孤独が伝わってきます。真の友を持つことができなかったこともまた、敗因の一つだったと考えられます。
     


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