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トーマス・マン『詐欺師フェーリクス・クルルの告白(上)』

2011年11月13日 23時46分20秒 | 文学
トーマス・マンの『詐欺師フェーリクス・クルルの告白(上)』(光文社古典新訳文庫)を読んだ。
あんまりおもしろくないかなあ、と思っていたら上巻の最後あたりからおもしろくなってきた。
詐欺師の話だと思っていたのに、いまのところまだ詐欺師になってなくてホテルのエレベーターボーイとして真面目に働いている。いつか詐欺師になるのだろうか。それとも詐欺師の回想録というだけで、実際に詐欺師になるところは描かれないのだろうか。
トーマス・マンの他の作品もついでに読んでおこうと思っている。『魔の山』とか。
『ワイマルのロッテ』も読もうかと思ったのだが、翻訳が古い本だしあまりおもしろくないのかもしれないと思い、代わりにゲーテつながりの『ゲーテとの対話』(エッカーマン著)を買った。
とうとう、ついに、読もう読もうと思いつつ読まなかった本に手を出す。
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白川静『漢字百話』感想

2011年11月10日 22時05分38秒 | 文学
白川静『漢字百話』(中公文庫)を読んだ。
白川静は難しい。
白川静が常用漢字を憎んでいるのがよく分かった。
常用漢字の何がいけないのかよくわからないのだが、――分からないと言っても白川静の言っている理由は理解できるのだが、それがそんなにいけないことなのかと思う。漢字を簡単にしたことによって漢字の成り立ちがわかりにくくなったかもしれないが、「でもべつにいいじゃん」と思ってしまう。それは僕が常用漢字の教育で育ったからだろう。
そういう育てられ方をしたら、そういう考え方しかできないということがあると思う。
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グッド・ワイフ、幸福論

2011年11月07日 00時30分29秒 | 文学
最近、暇さえあれば、という感じでやっていることは、海外ドラマ「グッド・ワイフ」をNHKでまとめて放送していたものを録画したので少しずつ見ているのと、アランの『幸福論』を少しずつ読んでいること。
「グッド・ワイフ」はとてもおもしろい。アメリカのドラマは見始めると次から次に見たくなるし、退屈しない。脚本がいいのだろう。主人公の旦那の職業とか、なんで捕まっているのかとか、アメリカの裁判についてとか、よくわからないことがたくさんあるように思うのだが展開が早くてそんなことを気にする暇もないままに見続けている。
このドラマを見ようと思ったきっかけは、テレビの番組表を見ていてなんとなく推理サスペンスっぽくておもしろそうだったから。主人公が主婦であるというところも気になった。
アランの『幸福論』は白水Uブックス版を購入し、ひさしぶりに読んでいる。プロポをひとつひとつ楽しんで読んでいる。しかし、最後の二文章くらいで煙に巻かれた感じがすることもよくある。仲良くお話してたのに、別れ際に早口で何か言って「じゃあさよなら」って逃げられたような気分になる。「え? なに? よく聞こえなかった。」
そういうときは岩波文庫版でもう一度読んでみている。
昔読んでいるせいか岩波文庫版のほうがよく分かる気がする。
このやり方でしばらくアランのプロポを楽しむ。
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大江健三郎『読む人間』

2011年11月06日 15時49分59秒 | 文学
大江健三郎の『読む人間』という本の文庫版を書店で立ち読みして、読んでみたくなったのだが、「買うほどでもないか」と思い、図書館で単行本を借りて読む。
読んでいて読みたくなった本をメモしておくと、
『ヴェイユの言葉』(みすず書房)
『フランス・ルネサンスの人々』(岩波文庫)
『音楽と社会』(みすず書房)
『トムは真夜中の庭で』(岩波少年文庫)
だった。
大江健三郎は同じ話ばかりする人で、この本でもブレイクとダンテと渡辺一夫とサイードの話が繰り返される。それ以外の話を期待していたので、図書館で借りて正解だったと思った。
大江健三郎の昔話としては『大江健三郎 作家自身を語る』が傑作だったので、誰か、よく彼のことを知っているひとに話を聞き出してもらった方が良いのではないかと思う。自分から話をしようとするとやっぱりブレイクとサイードの話になってしまうのだろう。もっと他にもおもしろい話を持っているひとだろうと思うので残念だ。

『取り替え子』を新聞で批評した人として「女性らしいミーハー精神と高度な思想との共存する人格を売りにしている流行評論家」(171頁)と書かれている評論家とは、斎藤美奈子だろうか。
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塩野七生『わが友マキアヴェッリ 3』感想

2011年11月06日 09時38分48秒 | 文学
塩野七生『わが友マキアヴェッリ 3』(新潮文庫)を読んだ。
その時代のことをある程度知っておかないとおもしろくない本なんじゃないかと思った。
僕にはもう少し初心者向けの歴史小説家のほうが向いている。
マキャベリについては、モームの『昔も今も』と、『君主論』を読むつもり。
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扇田昭彦『舞台は語る』

2011年11月04日 15時34分28秒 | 文学
扇田昭彦『舞台は語る ―現代演劇とミュージカルの見方』(集英社新書)を図書館で借りて読む。ミュージカルについてはあまり登場しなかった。ミュージカルには興味がないのでちょうど良い本だった。
日本の演劇の歴史についてコンパクトにまとまっている良い本だった。

演劇についての本をいろいろと読んでいるが、なんでこんなに読んでいるのかだんだんと分からなくなってきた。
もともとは演じるということに興味を持ったのだった。
そのつながりで、トーマス・マンの『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』を買ってきた。この本はゲーテの『詩と真実』の文体を真似ているらしい。『詩と真実』も読んでみようか。
『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』のあらすじを読むと、パトリシア・ハイスミスの『リプリー』(『太陽がいっぱい』)みたいな話だなと思い、映画しか見ていないのだけれど、原作も読んでみようかという気になる。
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「100分 de 名著」のアラン『幸福論』

2011年11月03日 09時45分47秒 | 文学
アランの『幸福論』はとても好きな本なので、NHKの番組「100分 de 名著」で取り上げられるということでそのテキストを読んだ。番組の第一回目の放送も見た。
ひさしぶりにアランの『幸福論』が読みたくなった。
モーロワの『アラン』という伝記も読みたいが手に入らないようだ。これを機会にアランの本が手に入りやすくなれば良いなと思う。
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小宮一慶『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』感想

2011年11月01日 20時33分09秒 | 文学
小宮一慶『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー携書)を会社で借りたので読んだ。
つまらない本だった。
えらそうな人だった。小宮一慶は本当に偉い人なのかもしれないが、知らないので「エラそう」としか思えなかった。
最初から最後まで仮説と関心の話だった。
著者は「仮説を立てて世の中を見て、最後にそれが正しい仮説であったことがわかった」というような表現をよくしていたが、どうして仮説が正しいと言えるのかその根拠がよくわからなかった。自分の仮説が新聞でも書いてあったから正しい仮説だと思ったのだろうか、と思った。新聞や経済指標の言っていることが正しいという仮説は誰が証明したのだろうと思った。
おそらく小宮一慶の本は二度と読まないだろう。
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