![小僧の神様・城の崎にて (新潮文庫)](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51QyHkY+lNL.jpg)
この短篇集の終わりのほうに収録されている「瑣事」などの、志賀直哉本人と思われる人物の浮気を扱ったものが目当てで読んでみたが、それほどおもしろいとは思われなかった。
やはり代表作とされる「小僧の神様」や「城の崎にて」のほうが、これこそが志賀直哉だと思っているからかもしれないがおもしろい。
しかし浮気してそれがばれて、妻の様子や、自分の気持ちを正直に書いているのはすごいとは思った。
浮気してそれがばれて、正直な気持ちを書いたものを読みたいと思いながら島尾敏雄の『死の棘』はまだ読めないでいる。ちょっとつらすぎるような気がする。村上春樹の『国境の南、太陽の西』は、浮気している男の気持ちを案外格好つけずに書かれていたように思う。