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村上龍『長崎オランダ村』

2023年06月03日 17時28分21秒 | 文学
村上龍『長崎オランダ村』(講談社)を図書館で借りて読んだ。長崎特集の二冊目。
二十代の頃に村上龍の本はかなり読んだが『長崎オランダ村』は読んでいない。
この本は1992年に出ていて、ちょうどハウステンボスが開園したころに出版されたようだ。いまでは聞かないが、「長崎オランダ村ハウステンボス」とこのころは言っていたようだ。
語り手が長崎オランダ村に行くのが中心の話ではなく、講演を行ったあとに旧友のイベント会社の社長と、一晩中嫌というほど食べまくりながら長崎オランダ村での出来事を語り合うという小説だった。このころの村上龍の、日本はダメだという理論がいまとなっては懐かしくある。
とっても元気があっていいなと思った。
長崎旅行の参考になりそうなのは、

《皿うどんとビールという組み合わせは、キャビアとウオッカ、ふぐの白子とヒレ酒、ムースショコラとアルマニャックなどに勝るとも劣らないものだ》(132頁)

というところくらいだった。皿うどんにはビール。

こうやって読んでみると、もはや何も得るものはないかもしれないと思った村上龍もたいへん愉しく読める。
引き続き他の古い作品も読んでみたくなるが、本屋で手に入りにくくなっている。残念なことだ。
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