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小津安二郎監督『東京物語』

2016年01月16日 00時56分55秒 | 映画
録画していた小津安二郎監督『東京物語』を見た。
あんまり代表作すぎて、ちょっと見るのが躊躇われたが、久しぶりに見て良かった。おもしろかった。
この前山田洋次監督の『東京家族』を見たときにも思ったのだが、昔見たとき『東京物語』の杉村春子は鬼のような印象だったのだが、いま見るとそんなに鬼とも思わない。酔っぱらった父親が夜中に帰ってきたときに怒るのも、母親の危篤のときに喪服を持っていくか考えることも、葬式のあとに形見を欲しがるのも、まあそんなこともあるだろうなと思う。東京に遊びにきた両親の相手があまり出来ないのも、べつに悪いことでもないと思われる。両親の相手を弟の未亡人の原節子に頼むのも、ちょっと悪いとは思うが原節子が良いのならそれでもいいかと思う。
原節子って良い嫁を演じてないか? とすら思う。
なんだか、自分がオトナになったことを確認するために見たような気がする。わたくし、ズルいんです。

杉村春子の夫が中村伸郎であったことが発見だった。
ずっと小津作品に出ていたんだな。
笠智衆が酔っぱらって東野英治郎と帰ってきたときに、「どうしたんだよ」とか「どこで呑んできたんだよ」とか妻の杉村春子に訊くのだが、そんなこと分かるわけないじゃんかと思った。
同じようなことで、母危篤の電報が来たときに三宅邦子が夫の山村聰にいろいろ訊ねるが、そんなこと分かるわけないじゃんかと思った。
同じ状況にあるのに配偶者のほうが血縁関係があるからよくわかるだろうという感覚が昔はあったのかもしれない。いまはだいぶ失われてしまった。僕にはそんな感覚はない。
またはそのような言い方で配偶者を責めていたのかもしれない。
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