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金城一紀「太陽がいっぱい PLEIN SOLEIL」(『映画篇』所収)

2015年10月19日 23時42分26秒 | 文学
小説ではなくて映画の本として興味を持ち、金城一紀の『映画篇』(新潮文庫)をちょっと読んでみるが、とてもおもしろくて最初の「太陽がいっぱい PLEIN SOLEIL」を読み終える。
ひさしぶりにこのような切ない小説を読んでおもしろかった。坂口安吾の使い方とは違うかもしれないが、「文学のふるさと」を感じる。
小説や映画って、俺らを救いに来てくれるものなんだよね。最近どっちにも救われることがなかったからすっかり失念しておりました。
ありがとうございました。

欲を言えば最後がちょっと「あ、お話か」と思わせるものだったので、最後まで作家自身が自分の身辺のほんとの出来事を語っている感じだったらよかったかな。
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菊地成孔『ユングのサウンドトラック』

2015年10月19日 21時29分35秒 | 文学
菊地成孔『ユングのサウンドトラック 菊地成孔の映画と映画音楽の本』(イースト・プレス)を図書館で借りて読む。
最近河出文庫からこの本の「ディレクターズ・カット版」と称する文庫版が出て、それがきっかけでこの本のことを知ったのだが、僕の通っている図書館には文庫版はないし、買うほどの興味はなかったので単行本版を読んだ。
昨日も書いたように、読んで見たくなった映画はあまりないのだが、菊地成孔というひとの映画評には興味を持った。きちんと正直に感想が書いてあると思った。とくに映画評は、正直に書いているひとが少ないような気がするので(衒学的だったり商業主義的だったり蓮實重彦的だったり)、素直に正直に自分の言葉で書いてある人は貴重だ。
「いつでも脳内で撮影快調」という、菊地成孔の妄想映画について書かれた文章があって、「ついでに読んでみるか」というくらいの気持ちで読んでみたがおもしろかった。「21世紀の若大将」宮崎哲弥氏の敵役「青大将」をはんにゃの金田哲氏が演じるというところで大笑いしてしまった。どうして金田。
この本は字の大きさが、大きくなったり小さくなったりする(アーティスティックな雰囲気を心掛けた本ではよくある)が、このようにすると字の小さい文章は読まなくていい文章だと私などは勝手に解釈して読み飛ばしてしまう。それで扱いとしては正しいのだろうか。
なので最後の日記からの抜粋はぜんぜんきちんと読んでいない。文庫版ではなくなっていたので、やはり読まなくてもいいのだろう。
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