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続・映画の本

2015年10月18日 23時58分02秒 | 文学
上野千鶴子の『映画から見える世界』を図書館で借りて読んでいたがつまらないので途中やめ。
決まった字数で、出来るだけの情報を詰め込み、賢そうにまとめる、といった文章を続けて読んでいると「このひとは結局映画を紹介したいのか自分を紹介したいのかわからないな」と思った。
同じく借りてきていた菊地成孔の『ユングのサウンドトラック』をあんまり期待せずに読み始めたが、こちらはとてもおもしろかった。
松本人志の映画にも、ゴダールの映画にも興味はないのだが、読んでいるととてもおもしろい。恐れていた蓮實重彦臭も感じなかった。
松本人志の映画は見たことはないし、見ることもないだろうが、おもしろくなさそうだなと思った。評価されていない『しんぼる』もそうだし、評価されている『大日本人』もおもしろくなさそうだった。を無意識に描いてしまった映画で、そのことがタブーであるということが僕にはよくわからないのだが、見て確認するほどの興味は持てなかった。
ゴダールでは『アワーミュージック』に興味を持った。
《この作品の評判を聞いたり、ストーリーを読んだりして「なんだかちょっと面白そうな粗筋じゃないか。でもダマされないね。どうせ始まってしまえばいつものゴダール印なんだろ。まあ寝るよ」という人々は、80分後には体温が上昇し、頬が紅潮していることでしょう。》(126頁)
という文章にはとても興味を惹かれた。しかしそれでもやっぱり「ゴダール印」なんだろうと思ってしまって、見るのは躊躇われる。ゴダールへの疑惑は深い。
ゴダールが音楽を唐突に始めて唐突に終わらせるということがよくわかった。その、なにがいいのかよくわからない。
その他、ここまで読んだところまでで見たくなった映画は『ラースと、その彼女』だ。この映画は沢木耕太郎の『銀の街から』でも取り上げられていて少し面白そうと思ったのだった。
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