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☆気分はもう終戦 (小熊英二「日本という国」感想)

2009年03月25日 13時18分50秒 | 文学
日本という国 (よりみちパン!セ)つい最近ある場所で、中村雅俊主演の「坊っちゃん」の映画をほんの少しだけ見る機会があったのだが、そこで表現されているのは明治的、夏目漱石的世界ではなく、70年代的、中村雅俊的青春だった。
ある過去の時代の物語を描こうとしても、結局表現されるのはいまの時代であるのだな、と思った。
確か中学生の時に、ドラマ「西部警察」の再放送をちらっと見て、もう明らかに逮捕できる容疑者に手錠をかけず河原で「バカヤロウ」と叫びながら数発殴る刑事に、「いまじゃあこんなドラマは問題だなあ」と思いながらチャンネルを変えた記憶がある。
意図せずに表現される時代の気分というものがある。
図書館で借りて小熊英二の「日本という国」(理論社)を読んだ。
明治と第二次大戦後のことが詳しく書かれていた。
明治の記述については思わなかったのだが、第二次大戦後についての記述で憲法九条について(その大切さについて)予想以上にページを割いていて、ああ時代なのかなあと思った。この本の書かれた2006年当時(ってまだ3年しか経ってないが)、憲法改正についてよく言われていた時期だったような気がする。
その、時代の空気に反対しようとする気持ちが強く感じられた。
中学生向きの本ということですぐに読めたが、僕は冷静な本が好きなので半藤一利の「昭和史」のほうが好きだった。
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