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☆東野圭吾週間終わる(「容疑者Xの献身」感想)

2008年08月10日 15時14分49秒 | 文学
容疑者Xの献身 (文春文庫)東野圭吾の「容疑者Xの献身」(文春文庫)を読んだ。
トリックの衝撃度で言えばそんなに大きくなく「あ、やっぱり」という程度だった。意外ではなかった。
ここ最近読んだ本でもっともトリックが衝撃的だったのは伊坂幸太郎の「アヒルと鴨のコインロッカー」じゃないかと思う。しかしトリックの衝撃度がそのままミステリーの小説としての評価にはならない。これは、お化け屋敷の中で最もびっくりしたところが、お化け屋敷的によく出来ているかといえば、そうでもないこともあるようなものだ(しかしお化け屋敷にほとんど行かないので詳しくは知らない)。
伊坂幸太郎よりも東野圭吾のほうが好きです。
靖子にとって、真相を知ることと知らないことと一体どういう違いがあるのか分からなかった。彼女にとってはどっちだって疚しいのは変わらないだろうと思うのだが。
彼女の最後の行動を計算できていない数学者を私は天才数学者とは呼びません。

「天才」と言われる人物を描くとどうしてもこぢんまりしたものになってしまうのは仕方のないことなのかもしれない。そんなひと全然天才じゃないじゃん、と思ってしまう。
テレビで描かれるような太閤秀吉は太閤秀吉ではない、と小林秀雄も講演で語っていた。
そういえば、小林秀雄の声は俳優の松村達雄(二代目おいちゃん)に似ているのだということに何度か聞いていてやっと気付いた。
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