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 佐々木愛・文化座「銀の滴」公演を観て

2010年12月29日 | 「美ら島沖縄大使」便り

          

 池袋「国立劇場」小ホールで行われた文化座の公演「銀の滴降る降るまわりに」を観劇しました。これは劇団会員でもある知人の勧誘を受けたもの。「銀の滴」題名は知里幸恵の「アイヌ神謡」から取ったのか。

 これは40名以上のアイヌが召集され、沖縄で戦死した事実を知り、衝撃を受けた座長の佐々木愛さんが杉浦久幸氏に脚本を依頼し、黒岩亮氏の演出によって劇化したという。

 日本に於ける先住民、共にマイノリティーとして差別を受けたアイヌと沖縄人が先の大戦、軍体験をどう過ごしたか。佐々木さんならず、脚本、演出家には興味あるテーマーながらどう描くが苦労したと思う。

 鹿児島45連隊で軍隊体験をした亡父が島袋姓の沖縄出身二等兵が“フクロ!フクロ!”とからかわれていたのを語っていたように軍隊ではアイヌ、沖縄人は虐められたのでは。そしてさらに沖縄人はアイヌを階層的に蔑視したのでは。

 演出は舞台を軍隊とし最蔑視されていた炊事兵にアイヌと沖縄人を配し、双方の啀み合いと衝突を提示、さらに佐々木愛演ずる沖縄方言台詞を巧に操るオキナワ・オバーを噛まし観客に課題を投げ掛ける。

 先の「結い座」の「対馬丸」以来の観劇経験でした。

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