是枝監督が原作の長編漫画を2時間強にまとめ、その年の各賞を相当数獲得した。新人賞の広瀬すずが同名の浅野すずを演じる。
原作は長く、かなり込み入った家族関係をゆったりとした流れの中で表現するのだが、映画は短いので少しストーリーが唐突に感じられることがある。
主要登場人物は四姉妹。つまり谷崎潤一郎の「細雪」と同じだが、「海街diary」の四姉妹は家族構成が複雑だ。父親は同じだが上の三人が生まれた後、父親は別の女性の元に走る。そして母親も子供を捨てていなくなる。4人目の妹は父親と別の女性との子なのだが、その女性も、父親も病気で亡くなり、結局他の三人と同居することになる。
そのあたりの過去の出来事の順序が、なかなか頭に入らないが、実際にはアバウトでもかまわない。一人だけ母親が異なることがわかっていれば何とかなる。
映画のストーリーでは、どうしても姉妹の長女(綾瀬はるか)と四女(広瀬すず)ばかりが目立ってしまう。原作では、四人それぞれの非日常的なストーリーが展開されるのだが、大幅カットになっている。
舞台は鎌倉。まったく、ここを舞台にすればなんでも映画が様になるわけで、感じのいい街である。丘に上がれば美しい海が見え、町は人工的な感じのない伝統の染み付いた街だ。映画人や作家もこの町が大好きだ。材木座海岸から鶴岡八幡宮まで一本道になっていて、鎌倉幕府最後の瞬間も駆け上がる新田・足利連合軍の前に一瞬の間に終わった。
もっとも大船駅のそばも鎌倉市なのだが、一般的には、そこは「鎌倉」とは地元では認められていないようだ。
映画の話から離れてしまったので、ついでに材木座海岸の話だが、江戸の町で「初鰹」というと、この材木座海岸でシーズンで初めて揚がった鰹を早馬で将軍様に届けるのが「初鰹」とされていた。その日から鰹が解禁になり江戸の夏が始まるわけだ。
もっとも、最初に初鰹を口にするのは、将軍様ではなく将軍様の毒見係なのだが。
原作は長く、かなり込み入った家族関係をゆったりとした流れの中で表現するのだが、映画は短いので少しストーリーが唐突に感じられることがある。
主要登場人物は四姉妹。つまり谷崎潤一郎の「細雪」と同じだが、「海街diary」の四姉妹は家族構成が複雑だ。父親は同じだが上の三人が生まれた後、父親は別の女性の元に走る。そして母親も子供を捨てていなくなる。4人目の妹は父親と別の女性との子なのだが、その女性も、父親も病気で亡くなり、結局他の三人と同居することになる。
そのあたりの過去の出来事の順序が、なかなか頭に入らないが、実際にはアバウトでもかまわない。一人だけ母親が異なることがわかっていれば何とかなる。
映画のストーリーでは、どうしても姉妹の長女(綾瀬はるか)と四女(広瀬すず)ばかりが目立ってしまう。原作では、四人それぞれの非日常的なストーリーが展開されるのだが、大幅カットになっている。
舞台は鎌倉。まったく、ここを舞台にすればなんでも映画が様になるわけで、感じのいい街である。丘に上がれば美しい海が見え、町は人工的な感じのない伝統の染み付いた街だ。映画人や作家もこの町が大好きだ。材木座海岸から鶴岡八幡宮まで一本道になっていて、鎌倉幕府最後の瞬間も駆け上がる新田・足利連合軍の前に一瞬の間に終わった。
もっとも大船駅のそばも鎌倉市なのだが、一般的には、そこは「鎌倉」とは地元では認められていないようだ。
映画の話から離れてしまったので、ついでに材木座海岸の話だが、江戸の町で「初鰹」というと、この材木座海岸でシーズンで初めて揚がった鰹を早馬で将軍様に届けるのが「初鰹」とされていた。その日から鰹が解禁になり江戸の夏が始まるわけだ。
もっとも、最初に初鰹を口にするのは、将軍様ではなく将軍様の毒見係なのだが。