近衛文麿(岡義武著)

2014-04-17 00:00:56 | 書評
最近、昭和史前半(戦争が始まり、敗戦で終わるまで)についての本を色々と読んでいる。動機は、最近の安部内閣が、結局は危険な方向に進んでいるのか、あるいは対して危険じゃないのか、そのあたりの見極めも必要だし、総理大臣としての器かどうかということにもつながっていく。

konoe


で、もちろん著者によって歴史の書き方なんて何通りもあるので、大量に読む必要があるのだが、おおむね昭和前期における、政治家・軍人そしてキングのいずれも優柔不断で、強硬に出たり、軟弱になったりしているうちに、ずるずると泥沼に引き摺られていってしまったわけだ。

とくに近衛。

実際には、対米戦争を避けるために閣内で奮闘したようだが海軍は沈黙、陸軍が反対を続け、結局近衛は投げ出してしまう。

ようするに、良家のボンボンであるがため、他人の気持ちが読めず、また人望が薄かったのだろう。若い時には、女色とゴルフにふけったということで西園寺から怒られていたようだ。

そして、終戦後には再び政界に戻る気があるのかなかったのか。ぼやぼやしているうちに、戦犯と烙印を押され、結局は自決することになった。市に損ねた東條のようにぶざまな姿をさらすことはなかった。