大河ドラマの予習には無理かな

2012-08-01 00:00:20 | 書評
「平清盛」が不発弾になったのは、おもに出演者、特に主役のせいだろうと思っている。いっそのこと、清盛を早く退陣させて頼朝とか義経とか弁慶に一暴れさせて、源実朝が暗殺されるところまで大延長シナリオに書き換えてしまうといいかもしれない。

数十年も続いているシリーズ番組なので、毎年成功を望むのは難しいし、とっくにタネ切れといったところだ。NHK大河ドラマの歴史そのものが大河ドラマなのかもしれない。

そして、どちらかというとあえて避けてきた幕末から明治にかけての人物が次回シリーズに登場する。

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「新島八重」。女性である。

会津出身。会津藩士の家に生まれ、戊辰戦争では夫と離れ離れになり、会津城に立て籠もり政府軍と戦っている。そして、戦後、夫が青森の斗南に島流し風に追いやられたあと、離婚(したかどうかははっきりしないのだが)。京都に行き、同志社を設立した新島襄と結婚する・

そして同志社を自分の私設塾のように思っていたが、夫の没後、赤十字活動をはじめる。

そういった彼女の個人史をまとめたのが『新島八重の維新(安藤優一郎著)』ということだったのだが、どうも大河ドラマに合わせて書かれたようで、彼女のことが書かれている部分は少ない。おもに幕末の会津藩が、いかに幕府に上手く利用されていたかが書き連ねられている。どうも会津藩怨念系の書のようだ。

そして、本格的に彼女が登場したのは本書の中頃で、同志社のこととか、ちょっと伝記とはズレた書き方だ(もちろん、どういう筋立てにするのかは、本を書く人の自由ではある)。


ところで、主役の八重を演じるのは、『綾瀬はるか』。なるほど、粘着的女優だ。そして最後の将軍である徳川慶喜は小泉孝太郎。親と弟は本物の将軍になれそうだが、孝太郎は役者としてのみ将軍だ、大山巌を演じるのは反町隆史。西郷隆盛は吉川晃司が演じるのだが新島襄を誰がやるのか不明である。どうもよくわからない。事件でも起こして出演取り消しになったのだろうか。